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伝統工芸学科(漆芸):『奈良県曽爾村 地域活性化のための㏚用工芸品制作プロジェクト』(前編)

平成28年度後期の3年次プロジェクト演習として奈良県の自治体である曽爾村より、地域活性化のために同村産の日本産漆及び木材を使用した地域㏚用の工芸品(漆芸品)の制作が依頼されておりましたが、このたびようやく完成し、納品の運びとなりました。

本学のプロジェクト演習は学外より様々な依頼を受け、それに対し学生が主体となり問題解決の方法を考え、社会に成果を還元する目的で実施されています。今回は地域㏚用の漆芸作品として、将棋盤と将棋の駒一式を制作しました。次の画像が完成品です。

ここでプロジェクトを振り返ることにします。
まず最初は今回の制作を依頼された曽爾村の皆様からお話を伺います。

学生が主体になり制作の方針についてミーティングを行い、様々なアイデアを出しあいます。最終的に漆仕上げの将棋盤・駒・駒入れを制作することになりました。

作品を制作する前の段階として、適した技法を選択するためにサンプルを制作します。

数種類の技法でサンプル板を制作し様子を見ました。

 

製作したサンプルをもとに検討ミーティングを行い、技法を決定します。

 

 

本制作に入ります。本プロジェクトに参加した学生は全員漆芸を学んでいますが、今回は木工芸系の教員よりのご助力をいただき、木材の加工については製材の段階から行い、木地も自分達で制作します。

 

駒の木地作りは漆の木を材にしています。駒の種類ごとに数と大きさを合わせる必要があり苦労しました。

 

焼きペンで駒に文字を入れ、木地の完成です。

駒入れ用に荒取りした材を旋盤(ロクロ)にかけて挽いていきます。今回は欅と漆の木で木地を作りました。漆の木の材は黄色い色が特徴的です。

 

盤の木地は一枚の板では寸法が不足しているため、欅(けやき)と漆の材を貼り合わせて作ることに決定しました。

 

 

盤の製材・木地制作では適所で機械も使用しています。
危険を伴いますので木工芸系の先生方にも再度お世話になりました。

 

製材の終わった木地を前にして、この後の制作方法を検討します。

 

部材の接着には漆を使用しました。細部の工作を行い盤の木地の完成です。

 

 

この次から仕上げの工程に入ります。続きは後編で。

伝統工芸学科(漆芸):『奈良県曽爾村 地域活性化のための㏚用工芸品制作プロジェクト』(前編)

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