学歴
- 昭和58年
- 東京芸術大学 美術学部 彫刻科 卒業
- 昭和60年
- 東京芸術大学大学院 美術研究科 保存修復技術 修了
- 昭和60年
- 東京芸術大学大学院 美術研究科 保存修復技術 研究生(昭和61年3月)
職歴
- 昭和60年
- 京華学園中等部 非常勤講師(昭和62年3月まで)
- 昭和63年
- 株式会社京都科学
- 平成27年
- 京都美術工芸大学 特任教授
- 平成28年
- 京都美術工芸大学 教授 現在に至る
主要作品
香川県長徳寺 阿弥陀如来坐像(市指定文化財)
平安時代後期の造像で、像高360膝張り291 螺髪は粒状で肉髻を彫りだし、肉髻朱白毫を表す納衣を偏袒右肩で纏うが、右肩は納衣で覆う。膝前にて来迎印を結び、右足を外し結跏趺坐する。桧材。割接ぎ造。彫眼。肉髻朱・白毫は水晶製。接ぎ目が、脆弱なため解体修理を行い、両手先等は新しく補った。奈良県長谷寺 地蔵菩薩坐像
修理方針本像は、虫害が著しく地付き付近にはだいぶ後世の手が入っている。また、彩色は後補で形に合わず違和感を覚える。今回の修理では、全解体修理を行い、後補部材は新補し構造の強化を図るとともに、後補の彩色は除去し、当初部材に残された堅地にあわせ、補彩を行って全体の調和を図り、尊容の改善と保持に努める。京都府東寺 四天王立像(平安時代初期)
4躯共 桧材 一木造り 彫眼 堅地漆箔 彩色火災にあい焼損した四天王は炭化しているにもかかわらず、平安初期のおおらかな作風が窺える貴重な像である。 樹脂補強を行い炭化した表面を強化し尊容の維持に努める。
香川県願興寺 脱活乾漆 聖観音坐像(模刻)
今回の模造では、木(タブ)の粉の粘着性だけで製作するのではなく、粘着剤(接着も兼ねる)として麦糊を選んだ。これは、麦は生産しているので入手が楽であり作業しやすい点である。この時代は、かなりの像が乾漆で作られておりそれらが、限定された木の粉で作られているとは思えないからである。
教員紹介
Professor Introduction
- 特任教授/工芸領域(文化財)
小林 泰弘Yasuhiro Kobayashi
東京藝術大学美術研究科文化財保存学専攻修了。
京都東寺、木造四天王像、奈良長谷寺木造地蔵菩薩坐像ほか多数の文化財修復に携わる。