芸術学部の学び

先生との距離が近く
自由なアイデアで「作る」を楽しめる毎日

多彩な学びが提供され、入学後の選択の自由度が高いのが芸術学部の魅力の一つ。
個性豊かな先生と学生が枠にとらわれず、お互いに楽しみながらアートを学ぶ様子がひしひしと伝わるインタビューとなりました。

Student profile

栄井 美結さん(1年生)

専攻:デザイン領域
出身校:武田高校(広島県)
大きな紙に細かい絵を描く「細密画」に奮闘中(終わらない!)。デザインを軸に、いろんなことにチャレンジしてみたい!

木村 美月さん(1年生)

専攻:工芸領域
コース:陶芸コース
出身校:姫路南高校(兵庫県)
陶芸に挑戦したくて、工芸領域を選択。ろくろ回しに悪戦苦闘する日々。高校の時よりも先生との距離が近く、人と喋る機会が増えた。

栗田 美穂さん(2年生)

専攻:工芸領域
コース:木工・彫刻コース
出身校:世田谷総合高校(東京都)
彫刻を学びたくて、東京から京都の大学に進学。神社仏閣の建築や絵画を満喫中。今は課題の彫刻《仏手》を制作。

小川 海瑠さん(3年生)

専攻:デザイン領域
コース:CULTUREデザインコース
出身校:金沢錦丘高校(石川県)
取得資格:色彩検定3級
恐竜やオカルト系が好きで、作風が個性的。作ったものは周りから「らしいね〜」と言われることが多々あり。

山辺 朱莉さん(4年生)

専攻:デザイン領域
コース:CULTUREデザインコース
出身校:上田染谷丘高校(長野県)
取得資格:インテリアプランナー、2級インテリア設計士
卒業制作のため、水中のライブ撮影にチャレンジ中。舞鶴・小浜・和歌山の海のほか琵琶湖・鴨川など、水辺に通っている。

Q1. この大学を選んだ理由は?

栄井(1年生)

できて間もない大学で人数が少ないからこそ、伝統にとらわれず、新しいことができそうだなと思って! 工芸にもちょっと興味があって、専攻は違っても、もしかして触れる機会もあるかな!?って思ったり。

木村(1年生)

私も、自分の分野にとらわれることなく、いろんなことにチャレンジできそうと思って選びました。工芸を選んだのは、陶芸やってみたいな〜くらいのノリで(笑)。

栗田(2年生)

私は、昔から神社とかにある彫刻が好きで。自分でも彫れるようになりたいと思ったんですけど、彫刻が学べる大学って、全国でもなかなかなくって。たくさん調べて、この大学が見つかりました。

小川(3年生)

私は幼稚園の頃からずっと絵を描くことが好きで、将来、自分の作品を作ることを仕事にしたいな、と思っていました。でも、それってハイリスクじゃないですか…。そこで、Wスクールで建築の資格を取れるという点に魅力を感じて、この大学に入学しました。

一同〈へぇぇ〜〜〜(偉すぎる…)〉

山辺(4年生)

あ、でも芸術学部生も、建築士の資格取得を目指す人は半分くらいいますよね。私はもともと京都という土地が好きで、京都で学びたいな、と。あと、デッサンとか、専門的なスキルがなくても入学できるっていう理由でこの大学を選びました。

栄井(1年生)

私も一緒です!! デッサンなしで入学!

木村(1年生)

専門的な知識がなくても、ゼロから教えてくれる大学ですよね。美大受験ってだいたい画塾でデッサン学んで…って流れが一般的なので、この大学に入学してから「デッサンしたことないよ」って人が多くてびっくりしました(笑)

Q2. これまで受けてきた授業のなかで、とくに印象に残っているものは?

栄井(1年生)

ミニチュアサイズの自分を写真で作って、日常に紛れ込ませる「◯◯分の一の世界」という授業です(芸術導入演習)。道端の草の中にいる自分とか、キッチンで豚バラをかき分けてる自分とか…。身の回りの小さな出来事に目を向けることで、日常を豊かにすることができる、ということを学びました!

木村(1年生)

私は芸術導入演習で、計画性の大切さを痛感…。自分の専門(陶芸)から離れて「木工・彫刻」と「漆芸」の分野を経験できたのは嬉しかったんですけど、漆芸での螺鈿細工で、ちょっと難しい図柄にしたら、全然終わらなくて。貝のパーツ、みんな多くても3個くらいなのに、私、パーツが8個のデザインにしてしまったんですよ…!!

栗田(2年生)

漆芸は本当に大変…。貝を糸鋸で切り出して、磨いて、漆を塗った板に貼り付ける。とにかく磨くのにすごい時間がかかりますよね。私の場合、パーツ4個でも本当にギリギリだったので、8個はすごい…。

栄井(1年生)

す、すごいハードな作業ですね…。

栗田(2年生)

私は、粘土で動物を作る造形基礎演習Ⅰで、「立体を作るなら骨組みがしっかりしていないと、肉がついても説得力がない」ということを学びました。先生にスケッチの時点から「骨が見えない」って何度も言われてしまって。大変でしたが、それが今、彫刻にも生きているなって思います。

小川(3年生)

私は、石膏粘土で傘の持ち手を作る「握る形」という課題(デザイン基礎実習Ⅱ)です。恐竜の足を持ち手にしました。

一同〈面白い〜!〉

小川(3年生)

石膏粘土に触れるのが初めてだったので、工程も知らないことだらけで驚きました。針金とアルミホイルで骨格を作ってから、ロープをグルングルンに巻いて血管を表現しつつ、粘土を乗っけていきました。石膏って磨けば磨くほどつるんつるんになるので、毎日毎日磨いてました。

山辺(4年生)

いくつかの課題から好きなものを選択できるプロジェクト演習は、クライアントの要望を汲んで、こちらからデザインを提案するという授業で、東山区の市役所の職員の方と街のユニバーサルデザインのパンフレットを作ったり、枚方市の家具団地で不要になった家具をリメイクしたり…。学外の方と一緒にプロジェクトを進めるので、社会人としての活動を、疑似体験できました。

小川(3年生)

その演習、私も受けました。クライアントさんと話し合いながら製品を作っていくので、難しい分、デザインを仕事にする実感がわきました。

木村(1年生)

工芸領域でも受けられるのかな?

山辺(4年生)

工芸の学生も一緒にやるよ。領域を飛び越えた交流ができる。

栄井(1年生)

1年生でも、デザインを仕事にする時は、クライアントとのコミュニケーションが大切だよ、と授業で教わってます。実際に活動が始まるのが、楽しみです。工芸の学生からも面白いアイデアがもらえそう!

Q3. 課題に取り組む際、どんなことを心がけていますか。

山辺(4年生)

デザインするときは、まずなんとなくのイメージを決めてから、大量に資料を用意してます。とくに大学の図書館は便利。美術系だけでなく、歴史に関するものや京都に関するものもあって、依頼すれば新刊も購入してくれるので助かってます。

栄井(1年生)

私もピンタレストなどでデザイン例を集めます。でも、まずは自分でアイデアを固めておきたくて。ネットに頼りきるんじゃなくて、アイデアが出るまでは絶対検索しないようにしてます。

栗田(2年生)

工芸では技術を習得するために、伝統的な型を忠実に模すような課題も多いので、どれだけ焦らず落ち着いて作業できるかを心がけています。「早く形にしたい」と慌てちゃうクセがあるんですけど、そうなると、やっぱり仕上がりがどこか雑になる。1年生のときは演習の2時間をぶっ続けで作業していましたが、最近は途中の10分休憩は必ず休む。そうすることで、最後まで冷静に取り組めるんです。

木村(1年生)

今ぶっ続けで作業してます…。どれだけ丁寧にできるかが、ずっと自分の課題ですけど、まだまだです。

小川(3年生)

私は、パッと思いついたものや、ひらめきを大事にしています。思いついたことはすぐにスケッチに起こして、すぐ先生に質問に行っちゃいますね。あと、自分が表現できる範囲内で作品を作るのではなく、作りたい!と思ったものを、どうすれば表現できるか考えるのを大切にしています。独学で3Dアニメーションを学んだり、先生に石膏・樹脂・石粉粘土など新たな素材をご指導いただいたり、表現方法を広げながら、挑戦を恐れずに作品に取り組んでいます。

Q4. 資格取得は考えていますか。また、取得された方はどのように勉強しましたか。

山辺(4年生)

私はCULTUERデザインコースですが、学べるチャンスがあったので、インテリア系の資格を取得しました。サポート体制が整っているので、インテリアや建築系の資格も取りやすいのがこの大学の特長ですね。

小川(3年生)

魅力に感じていたWスクールで二級建築士の受験資格は取ったんですが、今は受験を保留にしています。3年生から始まる対策講座がけっこう大変で、一番の目的である作品作りがおろそかになるのは違うなって思って。受験資格はあるので、またチャンスがあれば挑戦したいです。

栗田(2年生)

私は特に資格取得は考えていないんですが、工芸領域の場合、木工を専攻している学生が、家具作りの理論を学ぶためにインテリアプランナー資格の取得を目指すこともあります。

山辺(4年生)

学芸員資格が取れるカリキュラムや、Illustrator、PhotoshopなどAdobeソフトの検定が受けられる夏期講習もありますよね。学べる範囲が幅広いと思います。

Q5. この大学に入って、よかったと思うことは?

小川(3年生)

成長した点でいうと、大学に来て、ひらめいたアイデアを表現できるようになりました。この間、水たまりのしぶきを作りたいと思いついたときも、その形を抽象化して、素材に石膏を使うことで、自分のイメージを表現することができました。先生の経験を聞いたり、方法を教えてもらったりすることで、素材の引き出しが増えていくのが嬉しいです。

山辺(4年生)

確かに。入学してから、アイデアが増えたかも。「これを作りたい!」と思った時に先生に相談すると、完成までのプロセスがいっぱい出てくるよね。それを自分に積み重ねていけるというか。今、自主制作で、学校の廃材(丸い木の棒と段ボール)でオオカミの立体を作ろうとチャレンジしていて。アップサイクルの視点でものづくりをするという考えも、先生との交流の中で自分に出来上がっていったなと思います。

木村(1年生)

先生が「学費を払っているということは、この大学を使い倒す権利をお金で買っているということ。自分の専攻を超えて、教員も教室も使いたおせ!」って言ってて。なんでもできる大学だなって思いました(笑)

栄井(1年生)

私も、先生には遠慮なく相談してます! 先生もみんな話しかけてくれるし、孤独を感じないですよね。

一同:〈共感!〉

栄井(1年生)

芸術って、考え方がしっかりしていて先生が厳しいイメージでしたが「なんでもいいよ〜いいじゃんいいじゃん」って学生の思いを尊重してくれる。

木村(1年生)

大学に入って先生との距離が近くなったんで、必然的に社交的になれたと思う。楽しんで大学に行っています。

COLUMN

プロジェクト演習

社会に実際にある課題をテーマにした問題解決型の演習です。実社会とつながる産官学連携プロジェクトとしての側面をもち、地域の企業や団体と協力して取り組みます。専門コースを問わない学科内の横断的な演習授業で、自由で新しい表現を見出すことで、プロとして活躍できる能力を身につけます。数テーマに分かれ、それぞれのチーム単位で実施します。

表現のベクトル展

デザイン領域では、卒業制作の前段階として、3年次の終わりに「表現のベクトル展」と題した展示会を行います。設定されたテーマに沿ったさまざまなデザイン表現による作品を制作。毎年、3年間で培ったデザインスキルを生かした個性豊かな作品が見られます。4年次の「卒業制作展」と同時期に開催し、学内だけでなく学外の方にもご覧いただいています。