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京町家再生プロジェクト
京都の伝統ある町並みを形成する貴重な建造物でありながら、老朽化や相続の問題から年間800件・1日2件が取り壊され、減少の一途をたどっている京町家。京都の歴史と文化を未来へつなぐ地域・学生連携事業として、京町家の再生と活用に専門家と共にKYOBI生が取り組みました。
プロジェクトの流れ
Project
Step1 はじまり
本プロジェクトに関わる関係者や学生による顔合わせが行われ、連携パートナー企業の皆さまから学生に向けてメッセージをいただきました。後半は、建築学部の生川教授による「町家の基本」について講義を受講し専門的な知識を学びました。
Step2 ペルソナ・コンセプト発表
京町家に実際に暮らす人物モデル(ペルソナ)の考案と、その人物の背景やそこに住む理由(コンセプト)をKYOBI生が発表。学生ならではの自由な発想によるユニークなアイデアなど、学生それぞれの個性が光る内容となりました。
Step3 現地・改修事例見学
改修対象の京町家に伺い、施工担当者から建物の状態や今後の改修予定のレクチャーを受けました。事前に伺った改修プロセスを踏まえ、不陸調整(経年劣化により生じた歪みや凹凸を修繕する作業)が必要な柱や建具を確認し、重要な部分は実測を行いました。
Step4 京町家のソフト面を考える
昭和初期の京町家・京都産業大学 町家まなびテラス・西陣を会場に、京町家についてソフト面を考えました。行政・民間の両面から路地・まちづくりの取組みや社会課題の解決、地域の活性化について貴重なお話を聞くことができました。
株式会社ツナグム代表取締役 田村氏による講義
Step5 制作模型発表
第2回で発表したペルソナを今までの学びを活かしてさらに掘り下げ、住む人が抱える問題や悩み、その解決方法や得られる暮らしの価値について発表し、その上で各自が制作した図面やスタディ模型を紹介しました。
末川氏も羨む冷蔵庫が納まる立派な箱階段
Step6 改修現場視察
実際の改修作業が行われている京町家を見学。改修工事の担当者より、京町家の改修工事の工程について説明いただいた後、構造改修において実際に梁を取り付けするところを間近に見学させていただきました。
Step7 べんがら塗と油引き体験
酸化鉄を原料とする赤色顔料の一種で、防腐・防虫効果があり人体にも無害な塗料を用いた「べんがら塗」と、色むらを無くし塗装面を保護する効果がある「油引き」を体験。京町家らしい外観がよみがえりました。
Step8 町家の日コラボ
町家の日イベントに合わせて、船鉾町会所に特設スペースを設けていただき、両学部の学生による京町家スケッチや京町家をテーマにした卒業研究・制作を展示。本プロジェクトの内容発表も行いました。
Step9 建物完成お披露目会
地域の方々もお招きし、建物完成お披露目会が行われました。随所に改修に関わった方々のこだわりや想いが感じられる温かい雰囲気の建物が完成しました。
参加した学生の声
Student Voice
小谷 美結夏さん
建築学科/3年生
鳥取城北高校(鳥取県)出身
小松 桃子さん
建築学科/3年生
高知工業高校(高知県)出身
五十川 りかこさん
デザイン・工芸学科工芸領域/3年生
大阪産業大学付属高校(大阪府)出身
伊藤 寧々さん
建築学科/3年生
桜丘高校(愛知県)出身
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Q1
なぜこの『京町家再生プロジェクト』に参加しようと思ったのですか?
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小谷
生川先生からお誘い頂いたのがきっかけで、空き家問題や京町家の魅力を知りたいと思い参加を決めました。
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小松
京町家に興味があり、度々京町家に関連する大学のイベントに参加していたので先生からお声がけいただいた時に何かの縁かなと思い参加しました。
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五十川
京都の街を歩く中で京町家に魅力を感じ、より深く学びたいと思ったことがきっかけです。自由な時間をしっかりとれる学生の強みを活かし、京都の大学生という立場から、町家や京都の魅力を深く探求したいと思い参加を希望しました。
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伊藤
友人に声をかけてもらったからです。優秀で尊敬している友人だったので、ついて行って一緒に勉強しようと思いました。
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Q2
プロジェクト期間中、一番『大変だった、壁にぶつかった』と感じた作業は何ですか? それをどうやって乗り越えましたか?
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小谷
ペルソナやコンセプトを考えた上でスタディ模型を作ることが難しかったです。長屋の内装や室の配置を考えたことはなかったので、京町家レクチャーを経て、在来工法と伝統構法の違いなどを学び、課題に取り組むことができました。
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小松
構造模型の制作です。建物がどのように建てられているのか実際に模型を作って学習しました。一つでも歪んでしまうと、上手く立ち上がらなかったり、寸法も1ミリでもズレてしまうと建物が傾いたり形にならないので、きっちり作るという作業が難しかったです。自分の手が止まってしまうたびに友達や先輩にアドバイスをもらい、作り上げることができました。模型を作ることで作りながら学び、視覚的にもより理解が深まったのでとても良い学習になりました。
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五十川
このプロジェクトの最終ミッションである完成模型の共同制作が特に大変な作業でした。私はこれまで建築模型の制作経験が乏しく、町家の構造を知識として理解していても、具体的な制作手順やコツが分からず戸惑う場面が多くありました。しかし、大学の先生や先輩方、他の学生達の助力をはじめ、共にプロジェクトに参加したメンバーと緊密にコミュニケーションをとり、それぞれの強みを活かして協力し合うことで、最終的に町家の模型をきちんと形にすることができました。
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伊藤
模型をつくる時に構造を理解することです。4年生の先輩が3Dでモデルを作ってくださったのでそれを見ていたのと、分からないところは構造を理解してるメンバーに聞いたりしていました。
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Q3
このプロジェクトを通じて得た一番の学びは何ですか?
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小谷
京町家は自然と大きな関わりをもっているということ。木の温もりや四季の移ろいを感じることで自然と触れ合える空間が生まれていると感じました。
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小松
「人を想い、暮らしをつくる」という概念をキーワードとしてこのプロジェクトを進めていきました。このプロジェクトを通して、人を想い暮らしをつくるというのは、設計者、大工だけでなく、不動産屋や近隣の方など、その物件に携わる方々全員がそれぞれの視点で住み手のことを想い、暮らしを作っていくことなんだなという気づきを得ました。自分たちがこの物件の施工に携わったのは、ごく僅かでしたが大学生という別の枠から今の自分たちにできる範囲で、人を想い暮らしをつくることができたと思います。
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五十川
京町家再生プロジェクトを通じた一番の学びは、多角的な視点からアプローチすることの重要性です。参加当初は、京町家の構造や修繕技術といった建築そのものを学ぶ場だと考えていました。しかし、プロジェクトの初期の課題として出されたペルソナ案の考案とその発表や京都の魅力を伝えようと京都で活動している方々からのお話を聞いていく中で京都の裏路地問題や空き家の問題など、京都で抱える問題があることを知りました。そのことから対象を単一の側面から見るのではなく、人、地域社会、歴史といった複数の側面を理解し、広い視野を持つことが大切なのだと気づきました。
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伊藤
分からないことだらけで参加するのが怖かったのですが、少しでも興味のあることには飛び込んでみるべきだと実感しました。
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Q4
参加する前、不器用だったり知識がなかったりして『自分にできるかな…』という不安はありましたか? それがどうやって『楽しい!』に変わっていったのでしょうか?
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小谷
京町家に対する知識がほとんどない状態で参加したのですが、このプロジェクトを通して関わってくださった方たちの京町家に対する思いを知っていく中で楽しさを感じていきました。町家に暮らす人だけでなく、長く暮らしていく地域の中で周辺地域の方々との関わりも大事にしなければいけないと感じました。
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小松
模型制作やプレゼン発表に不安がありましたが、一年間のプロジェクトだったので時間が経過していくたびにより実感が湧いていき意欲的に取り組めたので、模型も発表も自分なりに工夫を入れたり友達と助け合ったりして楽しくできたと思います。
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五十川
プロジェクト参加当初は、周囲が建築学部のメンバーばかりの中、芸術学部の自分が知識や経験の面で後れを取らないかという不安もありました。しかし、それ以上に普段ならできない貴重な経験を得られる喜びが勝っていました。芸術学部としての独自の視点を活かし、この経験を今後の糧にしようと考え、常に主体性と前向きな姿勢を持ってプロジェクトに取り組みました。
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伊藤
もともと町家に興味があったメンバー達に対して、私自身は町家についての知識が全くなかったので不安でした。分からないことはすぐ聞いて、教えてもらったことは素直に勉強して吸収するようにしていました。成果物が先生やメンバー、プロジェクトの方々に褒めてもらえた時に嬉しくて、それが楽しいに繋がりました。
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Q5
今、受験勉強をがんばっている高校生(未来の後輩たち)に向けて、『KYOBIで学べる一番の魅力』を込めてエールをお願いします!
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小谷
資格試験に対する手厚さは勿論、伝統建築から幅広いデザインを専門とする建築を得意とする教授がたくさんいるので自分に合った分野が見つかると思います!
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小松
今回の京町家プロジェクトは初めてのプロジェクトとなりましたが、今後も続く可能性もあるそうで、このプロジェクトのみならず、その他のカリキュラムや授業では大学外の方と関わる機会もたくさんあります。そういった出会いや経験は就職活動でも活かせると思います。大学で学ぶ座学も大事ですが、より実践的で本格的な建築の現場や環境を身近で体験できる機会を京美では与えてもらえると思います。そういった貴重な経験はなかなかないので、自分にとって大きな成長ができる機会になると思います。この大学で色々なことを経験し共に成長していきましょう!
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五十川
KYOBIの一番の魅力は、自身のやりたいことを制限なく自由に挑戦ができること、そしてその挑戦をすぐ隣で支えてくれる先生や、学部の仲間がいることです。これを形にしたい、こんな表現に挑戦したいと一歩踏み出せば、いくらでも応えてくれる環境が整っています。今は受験で辛い時期かもしれませんが、乗り越えた先には、頑張った分だけ楽しいことや嬉しいことがたくさん返ってきます。今が踏ん張りどころだと信じて、自分の選んだ道を迷わず突き進んでください。
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伊藤
京都の歴史や工芸に興味がある人たちが集まっていて、周りが一生懸命だから一緒に頑張りたいと思えます。同じキャンパスで勉強したり、一緒になにか造れるのを楽しみにしてます!
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