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上堀詰町空き家プロジェクト
京都東山キャンパスに隣接する上堀詰町の空き家を学生たちの手で解体し、実際の建物を教材として学びを得る本学初の取組です。
建築学部1年生を中心に総勢約30名の学生有志が参加し、2025年5月から約3ヵ月で1フロアをリフォームしました。

リフォームの流れ
Project
Step1 解体・撤去
建築学部 生川慶一郎教授と齊藤啓輔講師による計画立案をもとに、不要となる建材をばらし、取り除きます。


Step2 床材・壁紙剥がし
リフォーム部分の既存の床材や壁紙などをはがします。水回り付近などの手ごわい材には、電動工具も用います。


Step3 塗装
窓枠などにペンキが付かないようマスキングし、塗装面を雑巾がけしてきれいにしてから塗装します。


- POINT 1
- 新しい壁とカーペットは天井部のサビ止め塗料の色に合わせたベンガラ色に

Step4 什器設置
机や電気スタンドなども自分たちで組み立てて設置します。
- POINT 2
- 芸術学部 玉村嘉章講師による古家具をリメイクした棚、岡達也准教授によるデザインの襖も設置


Gallery -竣工後の様子
参加した学生の声
Interview1

伊東 夏葉さん
松本美須々ケ丘高校(長野県)出身
設計する段階から現場に配慮する重要性を実感
授業で学んだことを現場で実際に体験できるということに惹かれ、プロジェクトに参加しました。特におもしろかったのは、壁にベンガラ色のペンキを塗る作業。重ね塗りするに従ってどんどん発色がよくなり、達成感がありました。最後のタッチアップは細かい作業で大変でしたが、きれいに仕上がったときはとてもうれしかったです。現場では知らない建築専門用語が飛び交っていて、最初はとまどいましたが、これから建築についてどんどん学びを深めたいという気持ちになりました。


Interview2

長野 歩美さん
松山東高校(愛媛県)出身
設計者と現場とのコミュニケーションが学びに
空き家の活用について研究したいという思いから、プロジェクトに参加しました。タイル壁を解体していくと、普段は目にすることがない建物の裏側が露わに。どのような構造になっているのかがよくわかりました。壁にペンキを塗る作業は難しかったのですが、みんなで工夫することできれいに仕上げることができました。さまざまな作業を行うなかで特に気になったのは、設計者と現場とのコミュニケーションです。密なやりとりを見ていて、私も将来は一緒に仕事をする人全員で建築を作り上げる建築士になりたいと思うようになりました。


Interview3

星野 提智さん
清明高校(京都府)出身
建物の構造や作業の流れを身を持って理解できました
リノベーションの現場に立ったのは、今回が初めて。実際に建物に触れることで、ひとつひとつの部材をただの単語ではなく実際のモノとして捉えられるようになったと感じています。特に印象に残っているのは、大きな引き出しの搬入作業です。建物の寸法を確認しながら、搬入できる角度や方向を探すのは面白く、建物の各部分のサイズ感を理解することができ、他の作業にも役立ちました。最大の収穫は、全体の流れを学べたこと。それぞれの作業が円滑に進むように、設計者はデザイン性だけでなく工程まで考慮すべきということを学びました。


Interview4

渡辺 蒼真さん
追手門学院高校(大阪府)出身
みんなと作業するなかで人間関係も重要だと感じました
プロジェクトの参加当初は指示された作業をするだけだったので、建築士を目指す上で成長できるのか疑問を感じていました。でも先生と行動するなかで、建築のプロがどのようなポイントを意識しているのかが少しずつわかるように。畳やタイル壁の解体作業を通して、建物の構造を理解することもできました。また、みんなと作業をするなかで感じたのは、雰囲気づくりの大切さ。作業を円滑に進めるために、先を読んで行動する力も身につきました。今後もプロジェクトメンバーと交流を深めながら、建築について知見を深めていきたいです。

