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建築学部

新海研究室の紹介 2023

 こんにちは。建築学科の新海(シンカイ)です。私の専門分野は建築、インテリア、都市デザイン、まちづくり、環境デザイン、プロダクトデザイン、デジタルデザイン、環境共生など多岐にわたります。大学院では都市デザインやインテリアデザインに関する講義科目や演習科目を担当し、また学部では建築設計やコンピュータ利用技術に関する演習や実習、そして卒業制作の指導を行っています。

研究室の様子
卒業研究ゼミの様子

 今年度の新海研究室には大学院生1名と学部ゼミ生6名、計7名が所属しています。 学部ゼミ生たちは前期の「建築デザイン演習Ⅲ」で、後期の「卒業制作」(以下、卒業設計)を念頭に置いて事例研究に取り組みました。まず、建築、インテリア、プロダクトデザイン、環境共生などの計画・設計テーマに関連する既存事例(作品)を50〜100件収集し、分類・整理を行います。これをもとに、敷地、用途、特徴的な空間、設計手法などの側面から事例研究を進めます。

 その後、卒業設計で参考にしたいと思う作品を一点選んで、各種図面の収集や設計コンセプト、敷地状況の調査、周辺環境の分析などを行って、プレゼンテーションシートにまとめます。ArchiCADを用いた3次元モデルやTWINMOTIONを使用したCG画像、ウォークスルー動画、建築模型を制作し、選んだ作品の詳細や魅力、設計手法を詳細に研究して卒業設計の企画立案に活かしています。

 今年度は、ゼミ活動の一環として平城宮跡羅城門跡公園の計画・設計に向けたフィールドワークにも取り組んでいます。奈良市にある平城宮跡から約4キロ離れた奈良市と大和郡山市の市境付近に、かつて朱雀大路の入口だった羅城門跡があります。ここから彼方の平城宮跡を望むと、かすかに朱雀門と大極殿が望めますが、残念ながら現在は、幅員75mもあったという朱雀大路をうかがい知ることはできません。近い将来、羅城門跡から朱雀門へと続く都市景観軸を現代の人々が意識できるような羅城門跡公園の整備計画を検討しています。

平城宮跡朱雀門の視察
羅城門跡広場の視察
羅城門跡広場の視察(羅城門橋から)
羅城門跡広場から平城宮跡朱雀門を望む

 研究室の大学院生や学部ゼミ生たちは、私が担当する1年生の実習・演習科目である「建築設計導入実習」や「情報基礎演習」のSA(Student Assistant)としても活躍しています。また、オープンキャンパスのワークショップに参加する高校生たちを指導するなど、建築やデザインに関する知識を深めるだけでなく、後輩の指導から学ぶ機会も得ています。

建築設計導入実習の講評会風景
オープンキャンパスの模型ワークショップの様子

 最後に、先に述べた4年生前期の「建築デザイン演習Ⅲ」で私の研究室のゼミ生たちが行った事例研究の成果品の一部をご紹介します。私の研究室ではCADやBIMの実践的な活用方法だけでなく、手描きのスケッチや模型、コンピュータを使用した表現、映像など、さまざまなメディアを組み合わせてアイデアを伝える方法を探求しています。彼(女)らの取り組みの特徴は、企画段階での詳細な情報収集とその分析結果に基づいて論理的に計画や設計を進める点です。

事例研究1(飯塚大翔)
事例研究2(大田杏奈)
事例研究3(木下芹奈)
事例研究4(末永大翔)
事例研究5(福永彩乃)
事例研究6(星塚将也)

 夏休み中にゼミ生たちは後期の卒業設計に向けて敷地調査や造形研究に取り組んでいます。今年度の新海研究室のゼミ生たちがどのような卒業設計をまとめ上げるのか、楽しみにしています。

(教授 新海俊一)

「建築デザイン演習II」(3年生)の紹介
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