工芸領域
Crafts Region
日本ならではの美意識や優れた手業を学び、
新しい価値を備えた“KOGEI”を創造する。
工芸コースでは伝統工芸の粋が集積する「京都」という地の利を生かし、日本ならではの美意識や新しい価値を備えた「新たな工芸=KOGEI」を視野に入れた教育を行います。 受け継がれてきた美意識や技術を身につける実習・演習を豊富に設ける一方で、伝統技術に新しい感性を融合させた先駆的な教育を手厚く行っていきます。
学びのポイント
Learning Points
3つの分野
3 Fields
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工芸コース/陶芸
伝統的な成形・加飾・釉薬・焼成の各技術を学び、さらに高度な先進的陶芸技術も追究します。
過去から現代の最先端までの技術を体系的に学びます。安土桃山時代に確立された灰釉陶磁器や江戸後期に登場した祥瑞・色絵陶器、明治期以降の近代製法などを実作を通して体験することで、成形、絵付、釉薬などに関する知識を深めます。ひと通りの技術を理解したら、次は柔軟な発想で陶磁器の新たな可能性を探ります。
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成形
成形
ロクロ成形やタタラ成形などさまざまな成形技術を学び、成形に使用するさまざまな素材調製技術なども習得します。
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加飾
加飾
下絵付技法や無鉛絵具の調製方法を学び、上絵色絵技法を習得。さらに、立体的に描画できる交趾(こうち)イッチン技法などの加飾技術も学びます。
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釉薬
釉薬
基礎釉薬調製技法、伝統釉や新しい釉薬を学びます。その後、オリジナル釉薬を調製できるように学びを広げ卒業制作に応用します。
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焼成
焼成
酸化焼成・還元焼成はもちろん、冷却還元・炭化焼成や酸化キープ焼成など、さまざまな焼成技術を学びます。
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工芸コース/木工・彫刻
人が木を扱う中で磨いてきた木工・彫刻の各種技法を学び、自由自在に造形する力を身につけます。
最初はカンナ・ノミ・彫刻刀などの道具の扱い方から学び、木を組んで形をつくる指物と彫刻の基本を理解し、次に木の塊から形を削り出す刳物、ろくろで造形する挽物を学んだ後、木工技術を駆使した家具制作に挑戦します。また、古典文様を地紋彫りすることで運刀法を学び、油土でエスキースを造ります。人間にとって身近な木から新しい木工の世界を創造する力を育みます。
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指物
指物
木と木を組んで箱物、棚、椅子などを制作。さまざまな工夫により、釘を使わず丈夫に組まれた木工品は末永くその形を保ち続けます。
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刳物(くりもの)
刳物(くりもの)
木の塊からノミやカンナを用いて形を削り出す技法。自在に形を刳り出す技術は、あらゆる木工作品を制作する基本となります。
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挽物(ひきもの)
挽物(ひきもの)
ロクロに材木を固定し、回転させながら、刃物を当てて円形を作りだす挽物技法を習得し、お椀やお盆などを制作します。
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彫刻
彫刻
平面の中に立体感を持たせた彫刻技法を習得。地紋彫り2種類の課題で、研ぎ、作図、彫刻刀の運刀法、道具の使い方を学びます。
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工芸コース/漆芸
漆芸の基礎を段階的に学び、髹漆・蒔絵・螺鈿・乾漆などの高度な技法にも取り組みます。
漆工芸は、漆を器物の表面に塗り重ね、さまざまな加飾を施す東洋独特の伝統的技法です。 漆芸の概要を理解しながら、髹漆や加飾技法の基本をマスターし、作業に不可欠な道具作りの方法も習得します。 最終的には、作品のテーマ設定から仕上げまですべての作業を行い、独自の漆芸作品を作り出す力を身につけます。
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髹漆(きゅうしつ)
髹漆(きゅうしつ)
30工程以上もある最高峰の技法を基本に学びます。木の板に布を貼り、下地づけをしてから塗り、呂色研ぎでツヤのある仕上げを施します。
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蒔絵
蒔絵
器の表面に漆で絵や文字などの紋様を描き、金や銀などの金属粉を蒔くことで器面に定着させる技法。平蒔絵・高蒔絵・研出蒔絵の習得をめざします。
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螺鈿(らでん)
螺鈿(らでん)
貝殻の内側の虹色光沢を持った真珠層の素材を漆で仕上げた表面にはめ込み、思い通りの意匠を作っていく技術を磨きます。
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乾漆
乾漆
麻布や和紙を漆で張り重ねて素地とし、下地と上塗りを施して仕上げる漆工の技法の一つ。より広く漆芸の技術を理解し技を身につけていきます。
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