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「町家リノベーションアイディア募集!」で建築学科から2名受賞

京町家を中心に扱う不動産会社・八清(はちせ)による「町家リノベーションアイディア募集!」において、建築学科3年生の小林宥見佳さん同4年生の岩永凪斗さん八清特別賞を受賞されました!
この取り組みは、同社が「物件づくりを行うプロセスの進化のための一つの手法」と考えて行われています。受賞アイディアは、応募66点の中から「今までにない革新的な取り組みであること、ワクワクする家であること」などを念頭に、審査員による投票制で選定されました。
アイディアの実現化も検討されており、今後の展開も楽しみです。

小林宥見佳さん(建築学科3年生)
タイトル「庭とくらす」
コンセプト:外と内の境界が曖昧な空間

町家の多くには開けた庭というものがないのではないかと考え、「庭」という外部空間に着目した。もちろん、町家にも「庭」はある。しかし、今回の建築物もそうであるように、ほとんどが住宅の奥の方にある小さなものなのではないか。
また、現代の新型ウイルスの影響で家にいる時間が増えた今、見るための庭だけでなく、外にでて空気を吸い、体を動かせるような庭もあったら良いのではないかと考えた。自宅にこもりながらも、庭にある自然を日々眺め、時間の流れや四季を感じることができたら心地良い空間になるのではないか。
まず、1 階部分を大きな庭と考えた。玄関土間を広く設け、リビング・ダイニング・キッチンと濡縁の仕上げを同じにすることで、玄関の土間部分から、リビング、ダイニング、キッチンを通して濡縁、北側の庭へと緩やかに空間を繋げていく。開口の開け閉めや、床の仕上げによって、外にいるのか、中にいるのかが曖昧な空間をつくる。
1 階部分の大きな空間を開けた庭にすることで、自宅で気軽に自然を楽しみリフレッシュはもちろん、地域の人との交流の場や、話のきっかけの場となるのではないか。1 階の開けた空間に対して、2 階は北側のみに開口のある、少し暗めのこじんまりした寝室とした。たたみコーナーは壁でなく手摺とすることで、バルコニーのような空間となり、プライベートな庭となるようにした。
このように、住宅の中に庭を入り組むことで、外と中の曖昧な空間、庭で暮らす、大きな庭を持つ町家というものを提案する。
【受賞コメント】
町家という小さな空間の中でいかに心地よく、自然、季節を楽しみながら暮らせるかを意識し、庭という外部空間を屋内に延長させるという、リノベーション案を提案しました。今回、このような賞をいただきとても嬉しく、また、町家についての興味がより深まり、とても 良い機会になりました。

岩永凪斗さん(建築学科4年生)
タイトル「町ヤードプレイス」
コンセプト:町家の中のサードプレイス。地域の方々の優しさの集積所。名付けて町ヤードプレイス。こどもの成長を地域の人も一緒に見守り、こどもを育てる親のサポートもできるような環境をつくることを目的に計画した。

今回の計画案では、表屋造の町家の特性であるミセ(公に開いた空間)を奥に設け、庭と一体化した町家の中のサードプレイスを計画した。大きい建物ではないのでターゲットはママさん、お子さんに限定した。ただ、この場所にお菓子屋や絵本など、こどもが喜ぶようなものを寄付してくださる地域の方々は無条件にママさん、お子さんと触れ合う機会を得ることになる。京都外から移住してきたご家族にとっても地域との接点を持てる場所、安心できる場所になるのではないか。
大階段スペースではプロジェクターを使用して、吹き抜け部分の壁でママさんたちがご利用しているサブスクの映像コンテンツを楽しんだり、大階段の一部に収納機能を設け、そこに収納している絵本やお菓子を利用制限を一部設け楽しんでいただく。[※一日の中で利用できるサービスの制限:お菓子は一人一個、絵本も一人一冊まで。ただし、他のママさん、お子さんと話し合いをしたうえで、お菓子を分け合ったり、絵本を交換したりすることは可能。そういったコミュニケーションをとるためであったり、どうしたらより楽しめるかをこどもたち自身で考えられるように制限を設ける。]
大階段の裏のスペースを活用し、ヌックを計画した。床柱を設け、床の間のようなヌックとして町家に馴染むデザインとした。一か所だけ開口部を設け、光と風を取り込めるようにした。
【受賞コメント】
建築学科の生川先生からの提案を受けて、面白そうだと思い、コンペに挑戦することを決めました。
コンペを終えての率直な気持ちは、今までコンペに挑戦してこなかった自分への後悔です。恥ずかしながら、4回生でありながらコンペに一度も挑戦したことがありませんでした。学校の授業で出される課題を一生懸命やることだけが成長する手段だと思っていました。でも絶対にそうではないと身に染みて感じました。自らコンペの情報を調べ、過去作品の受賞者のテーマに対する提案の内容を見たり、審査員のコメントを読んでみたり、学べるところはたくさんありました。
後輩たちに伝えられることは、自分なんてコンペに挑戦するような力はないと思って諦めるのではなく、力がないことを認めたうえで自分は何を知らないのか、知らないことを知る作業だと思ってとりあえずやってみることが重要だということ。その積み重ねが絶対に自分の助けになりますし、卒制に向けての課題設定能力などにも繋がるのではないかと思います。コンペの規模の大きさにかかわらず、自分の興味、好奇心を基準にして面白そうなものにはどんどん挑戦していってほしいです。

「町家リノベーションアイデア募集!」(株式会社 八清Webサイト)

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