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建築学部

河村ゼミの活動について

 こんにちは、今回は河村ゼミの紹介をします。

河村ゼミでは、現在11人の4年生が所属しており、週2回ゼミを開催しています、ゼミでは、1つのテーマを皆で役割を分担しながら、研究活動を進めています。

 これは、将来みなさんが社会人となって建築設計をはじめとして様々な実務を進めていく上では、必ずチームで仕事をすることになるからです。

建築の業務は、他の製作活動とは違って、1人ではできない仕事であること、チームをつくって役割分担を決め、1つの目的に向かって皆で協力しあって仕事を進めていくことを学んでもらうために、このスタイルの活動を行っています。

従って、毎回のゼミでは、発表する担当、当日の議事録を作成する担当、記録写真を撮影する担当などに分かれて、チームでゼミを進めることをしています。これは前述のチームで仕事をするエクササイズと考えています。

 今年のゼミでは、今まで学んできた建築設計演習から少し離れて、これまで、皆があまり読んでこなかった建築に関する専門書をできるだけ読み合わせて、専門書からしか得られない、建築に関する新しい視点を醸成してもらうことを考えています。

 

 

 まず、建築の歴史という観点から、そして、スケールアップした都市(まち)のスケールの観点から、今度は逆に、建築をつくっているディテール観点からと、様々な視点から建築を見つめることを学んでもらいたいと考えています。

 まずはじめに、建築史の観点観点から、私が学生時代に読んで、非常に影響を受けた著書を皆で読み合わせています。

1974年初版でかなり古い本ですが、「西洋建築史考」(山本学治著 理工図書株式会社)を読み合わせています。歴史上の著名な建築物が生まれた背景、当時の構造、工法、材料等の建築エンジニアリングの観点で読み解いていきたいと考えています。

 

 更には、まちの観点から、「集落の教え100」(原広司著 彰国社)を皆で読むことを考えています。

 この本の著者である、原広司氏は、この大学のある京都の「JR京都駅」を設計した著名な建築家です。氏がライフワークとして世界の集落を調査し、その調査に基づき述べた、キーフレーズ・論考を、読み合わせて、今一度JR京都駅を皆で見てみたいと考えています。

これまで、当たり前に利用してきた、JR京都駅をこの著書に触れることで、見る視点が変わる事を期待しています。

 

 こちらの書籍も、1968年出版の少し古い本ですが、「日本の都市空間」(都市デザイン研究体著 彰国社編)も是非皆で読んでみたいと考えています、この著書は、今でも読み継がれている名著と思います。そしてこの著書で引用されている事例の多くがこの京都に今も存在しています。

そして、実際にこの目で直接見ることができる場所にこの学校があることをぜひ活用したいと考えています。

この京都に学校があるチャンスを是非生かして、この著書を読んだ後に、皆で京都を見て回りたいと考えています。

 

 更に、この大学は、建築士資格取得を含めた実務教育に力を入れている大学であり、学部時代に、木造などの設計スキルを学ぶことのできる学校です。

その特長を生かし、更にその能力を伸ばすことを考えています。それに関わる建築ディテールの専門書、例えば、「 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計 ・ 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[RC編」(中山 繁信、細谷功、長沖充、蕪木孝典、伊藤茉莉子、杉本龍彦 著 オーム社)を、この機会に皆で読んでみたいと考えています。

 是非、このゼミの学生の何人かは、この大学で学んだ内容を更に発展させるような、設計実務につながる卒業制作ができないか、ゼミ生と一緒に模索していきたいと考えています。

この一連の調査・報告は、2022年7月17、24日の「建築デザイン演習 III成果報告会」で発表する予定です。

そして、この後、この調査・研究を踏まえて、各自ゼミ生が卒業制作を進めていく予定です。

次回は、その報告内容とゼミ生の卒業設計についてお知らせできればと思っています。

(准教授 河村大助)

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