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建築学部

小梶研究室の紹介 2024

みなさん、こんにちは。小梶研究室ゼミには11名の学部生と1名の大学院生が在籍しています。今回は学部4年次の卒業設計を目標とした、様々な取り組みを紹介します。前期はそのテーマを絞るための研究と、将来に向けての基礎力のトレーニングを主に行っています。研究室では建築空間の内部に焦点をおく設計手法により、外部と内部が輻輳しながらバランスを保つように、空間を丁寧に創り上げることを核とした活動を行っています。これらを通じ、持続可能な社会の実現に向けて家具やインテリア、空間はもちろん、建築から街へと様々に発展することを期待しています。このブログでは現在までのゼミ活動と、昨年度の卒業制作での作品紹介をします。今期は3年次後期からの研究室配属となりましたので、さらに4年次での積極的な活動に期待しています。

3年次では淡路島にある広大なオリーブ農園のグランピング施設で、ゼミ生達による環境ペインティングデザインと学生による現地での制作を行いました。研究室ではまずゼミ生の中でデザインコンペを行い、その中から2案が最終的に採用されました。新棟のトレーラーハウスでは海と橋を背景にオリーブの樹をテーマとしたデザインの制作を行いました。制作は全員で行い、型紙を大学の体育館で作った後、現地に泊まり込みで6日間の作業を行って完成させました。

現地でのゼミ生による制作風景
完成したトレーラーハウス。オリーブの実からオイルが滴っています

完成したトレーラー環境ペインティング

新棟の塀のグラフィックデザインもゼミ生の作品です

4年次では基本的に週2回・3時間ずつのゼミ授業を新校舎・東館4階のオープンゼミスペースで行っています。「アトリエ」と「エスキース」を繰り返し、力を磨いていきます。

デッサン授業は外光の入る共用部で行います

「アトリエ」はデッサン・クロッキーなど、将来の建築家・デザイナーとしての素養を磨くトレーニングを行う授業です。「エスキース」では、現在卒業制作のテーマに向けて、様々なディスカッションを繰り返しています。

時には、フィールドワークを行います。建築には欠かせない技術を肌で感じること、それらを共有することでディスカッションの幅が広がります。先日は新神戸駅前の「竹中大工道具館」を見学しました。伝統建築に用いられてきた大工道具と木や竹などの様々なプロセスに触れ学ぶことができました。

竹中大工道具館の展示を熱心にみています
入口付近での記念写真

その後、兵庫県立美術館では建築家の安藤忠雄氏の建築模型が多く展示されているAndo Galleryを主に視察し、模型のスケール感や素材、表現手法についてのディスカッションを行いました。もちろん建築も見学し優れた空間体験を行うことができました。

兵庫県立美術館 Ando Galleryにて建築模型を熱心に研究しています

ここからは、昨年度の小梶研究室ゼミ生の卒業制作作品の紹介です。京都における様々な提言、こどもや老人、動物愛護の抱える課題の解決、地元の活性化など、様々な方向へ展開しましたが、代表的な3作品(受賞作)の抜粋を紹介します。

1点目は前田大登さんの作品「始まりの残丘 ー経験を与える美術館の提案ー」です。

美術館・アートの概念が変わる事で作品の展示方法や運営形態も変わります。その変化に伴い大量動員を主目的とした展示会やアーティストの美術館離れなどの様々な問題が発生しています。美術館に足を運ぶ意味が見失われつつある現代において今後の美術館の在り方を提案しています。

2点目岩渕桃葉さんの作品「新・秘密基地 ーこどもが町の中で安心して遊ぶー」です。

現代においてこどもを取り巻く環境は深刻な状況にあります。子どもが追い詰められてしまう要因には家と学校という限られた居場所しか見つけられないことが関係しているのではないでしょうか。大人の都合で子どもの遊び場が減っていることなどを踏まえて、都会における子どもの居場所の在り方を提案しています。

3点目は宮嶋大和さんの作品「水彩の拠点 ~サインによる観光資源の発信~」です。

京都の観光業が回復している現在、一部の観光地に人が集中することで満足度の低下や市民生活への影響が問題となっています。そのひとつである京都・伏見地区において、埋もれている歴史 ・ 文化をサインとして顕在化させ、 伏見の魅力を再発信する計画です。また観光客だけではなく、地域住民もこれらの観光資源を享受できるよう地域振興を含めた観光交流施設を提案しました。

研究室では、各人が設定する課題に対しての解決を、より良い卒業制作作品とするため、「アトリエ」や「エスキース」による研究から、あるいはフィールドワークや様々な体験により思考と知見の広がりを確認しながら、その結晶として結実されていくであろう「創る」という努力に対して、それを惜しまぬ姿勢こそが大切だと考えています。

(特任教授 小梶吉隆)

工芸領域 陶芸 一年『下絵付Ⅱ』
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