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芸術学部

偶然性を誘発するかたち

こんにちは 今回ブログを担当します渡邊です。

タイトルにもあります不思議な授業を紹介します。偶然性を誘発って一体なに?っと想像すると思いますが、まずはこの授業に対する思いを書いておくので読んでください。(授業:デザイン基礎実習II)

私たちが普段生活している中で、思った通りに人生が進んでいくことってなかなか簡単なことじゃない、憧れの職業に就きたい、もっと良い暮らしがしたい、あれが欲しい、これが欲しいと人の欲望は尽きることがありません!

そんな時思い通りにいかないからと志を諦めてしまう、投げやりになってふてくされてしまう、なんてことは誰しもが経験したことがあると思います。これは大学の授業でも一緒です。

こんな作品を作りたい、もっと綺麗なもの、もっとレベルの高いもと考えはするものの、思考と現実のギャップを突きつけられることはしょっちゅうです。そんな授業の流れの中で、目標を持って最後に作品を仕上げていくというのが通常の授業の流れなのですが、ちょっと待てよ!と。

作品を作っていく途中に気が変わった、犬を作りたかったけど、作っていたら馬っぽくなっちゃた、じゃーそれで行こう!という発想があっていいのではないか?つまり考えていたことと現実のずれがあったら、ズレた方に寄せて行って結果的に良くしてしまう。

つまりゴール決めないで流れる方に流れて行ったらどのような作品が生まれるのか?という思考のズレを修正せず、ズレた方向へなびいていきましょうという課題です。

どうですか?わかりました?

素材はロウソク。。いかにも思うようにならない素材だと思いませんんか?

まずは既存のロウソクを使ってカービング。削ったり溶かしたりして何も考えずに何ができるかを制作していきます。そうすると削っている間に指に見えてきたり、溶かした流れが噴水に見えたりと偶然に色々と想いのつくままに形ができていきます。

 

次に粉状になったパラフィン(ロウソクの原料)を使って溶かしたロウを使い、作品を作っていきます。

ロウソクの芯も使います。

思い想いの形を想像しながら何か面白いものができると、あっという間に次から次へと出来上がっていきます。

それぞれの世界観を作り出していきます。

色はクレヨン(油性)とロウを一緒に溶かすと彩色が可能です。

初めは何も想像がつかなかったロウと言う液体にも固体にも変化する素材を、あ〜でもない、こ〜でもないといじくっていくうちに、徐々に自分の思う通りに変化させていけるようになっていきます。

意図していないものが出来上がったサプライズ的な面白さと、自由に扱えるようになった時の楽しさを実感できる課題です。

忘れてはいけないのが、ゴミ!ゴミと言ってもロウソクの削りカスや作って余ってしまったものたち。

さてどうするか?これも回収してまとめて溶かし固めていきます。

さまざまな残骸をまとめるとなんとも言えない混色になってしまいます。でもその混色のロウが固まって形を整えると、意外といい感じになるのですね!

素材を捨てない、再利用にも価値を見出す、さまざまな観点から素材の使い方アイデアの活かし方を学ぶ面白い授業です。

 

 

 

 

 

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