「ヴェネチア・ビエンナーレ」は、イタリアのヴェネチア市内各所で開催される芸術の祭典です。1985年に美術展として初開催された後、音楽・映画・演劇の各部門がたてられ、1980年より国際建築展も独立部門としてスタートしました。
本年は5月10日~11月23日に開催され、本学の建築学部 宮内智久教授は「T庵-アートとしての写し」をはじめとするプロジェクトに参加されます。

プロジェクト「T庵-アートとしての写し」は、茶の湯の祖・千利休が作ったとされる国宝の茶室《待庵》の「写し」を出発点に、日本の伝統建築の技術と茶の湯の精神を温故知新としてグローバルな文脈で再思考する試みです。
1995年の阪神・淡路大震災後に西澤英和氏(関西大学環境都市工学部建築学科 名誉教授)らが振動実験を行った《待庵》の工学的かつ数寄屋建築としての精巧な「写し」について、震災後30年を迎える本年に、その文化・社会的意義を現代そして後世へ伝えていくことを目的としています。
このたび、ヴェネチア会場のオープニングに連動し、このプロジェクトの出発点となる《待庵》「写し」(振動実験モデル)がプロジェクトメンバーの一人・籏邦充氏(数寄屋大工棟梁/京こと株式会社代表)により本学の中庭に設営されました。













ヴェネチア会場では、アーティスト・持田敦子氏がこの「写し」を写して制作した新たな写し《Dancing Teahouse》が展示され、会期を通じて交流が行われる予定です。
また中庭における茶室《待庵》写し設置期間中、在学生やオープンキャンパス参加者がその空間を体感できる機会を設け、同プロジェクトが目指す後世への文化・社会的意義の伝承に寄与してまいります。


「T庵-アートとしての写し」紹介文(PDFデータ)
「第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」公式サイト