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「京町家再生プロジェクト~人を想い、暮らしをつくる~」第4回が実施されました

6月12日(木)、KYOBI生たちが専門家の方々とともに取り組む「京町家再生プロジェクト~人を想い、暮らしをつくる~」(主催:カンパニートラスト株式会社)第4回が実施されました。
今回は昭和初期の京町家・京都産業大学 町家学びテラス・西陣を会場に、京町家をソフト面から考えました。

第1部は京都市まち再生・創造推進室の村上真史氏よる「歴史都市京都の路地と地域のまちづくり~密集市街地・細街路対策の現場から~」と題した講義です。京町家とともに京都の町並みを形成する「路地」を主軸に、室町時代から連綿と続く自治のあり方や、現代における地域のまちづくりの取組や課題について解説いただきました。日々現場で直面される具体的事例も多くあげられ、学生たちは熱心に聞き入っていました。

続く第2部は「人と人、人と場のつながりを紡ぐ」をミッションに掲げる株式会社ツナグム代表取締役の田村篤史氏による「地方創生や移住」「町家の活用」「ソフト事業」について知ることを目指す講義です。

講義に先立ち、田村氏らが運営に携わられる今回の会場をご案内いただきました。

京町家活用の現場に学生たちは興味深々。何を残し、どこを改修し、どのように利用されているのか、短時間ではありましたが、実見しながらいろいろと吸収できたようです。

講義では、田村氏が取り組まれる「京都移住計画」の事例を参考に、関係人口づくりや地方移住のハードルとなる居・職・住に対する方策、地域の人たちに喜んでいただける町家改修後の活用提案など、ソフト面についてアドバイスするファシリテーターやコーディネーターの役割を解説いただきました。

質疑応答では「地方における高齢者の時間活用について、選択肢を増やすために地域社会でできることは何か?」という学生からの質問に、株式会社ツナグム取締役 タナカユウヤ氏より「まずは高齢者本人にヒアリングをしては?」と即座に助言と参考図書を提示くださる場面も。まちづくりの現場で働く方々との交流は、学生たちにとってプロジェクト参加ならではの得難い経験となりました。

最後の第3部は京都市景観・まちづくりセンター 赤司氏と先の2名の講師による「場」をテーマとした対談が実施され、第1部・第2部の内容を更に深めることができました。

建具を開け放した会場には時おり心地よい風が通り抜け、学生たちは真剣に学びつつも普段よりどこか寛いだ表情に見受けられました。

ほの明るい夕方からスタートしたプログラムが終わる頃には杉苔の美しい庭も闇に包まれ、講義による学びだけでなく、京町家に流れる空気や時間を実感しながら学ぶことの多い回となったように思われます。
第3回までのハード面に加えて、改修後の京町家での暮らしを支えるソフト面についても学びを深めた学生たち。「京町家再生」に不可欠な両輪を得て、7月提案へいよいよ加速していきます。

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