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藤野家住宅〈国登録有形文化財〉の夏のしつらえ替えを建築学部の学生がお手伝いしました

京町家では、季節に合わせて夏と冬に建具や敷物をとり替える「しつらえ替え」を行います。
夏のしつらえ替えでは、建具は葦戸(よしど)や簾(すだれ)に、敷物は上敷きから網代(あじろ)や藤筵(とうむしろ)に替え、目にも肌にも涼しく快適に過ごせるようにします。

昨年に引き続き、京都御所南の京町家「藤野家住宅」〈大正15年(1926)/国登録有形文化財〉の夏のしつらえ替えを建築学部 伝統建築領域専攻の学生がお手伝いしました。

【2024年冬のしつらえ替えの様子はこちら

まずは冬用の上敷きを片付け、掃除機をかけて下敷きとなる和紙を取り替えてから、網代を敷きます。

2階の座敷はもっとも格の高い客間で、冬の絨毯敷きから網代敷きに。網代を敷く際は巻き癖の方向に注意が必要です。

また1階の座敷と中の間の境には縁や房の飾りが華やかな簾をかけ、庭側の雪見障子のガラス戸は葦戸に替えます。

葦戸の葦は外側用が粗く、内側用が細くなっていて、立てる際は引手の向きと併せて注意が必要です。

今回は4名の学生が参加し、藤野さまご夫妻だけでされると一日がかりになる作業を2時間ほどで終えることができました。

作業後には、床飾りも夏仕様に変えられた1階座敷でお茶をいただき、学生たちはひんやりと気持ちよい夏のしつらえを体感し、うれしそうに笑顔を見せていました。

また、「藤野家住宅」を建てられた現当主の藤野さまの祖父・外次郎さまは茶の湯を嗜まれていたため、玄関棟の応接間は茶室とされています。学生たちはこの応接間も藤野さまにご案内いただき、当主の個性が反映される京町家の様子にも高い感心を持ったようでした。

しつらえ替えや床飾り、茶室を含む部屋の構成など、日本の伝統文化が凝縮された京町家での体験は、建築を志す学生たちにとって大きな学びとなっています。

このような機会をいただけることに深く感謝し、今後も継続してお手伝いさせていただけることを願ってやみません。

「藤野家住宅」〈国登録有形文化財〉ホームページ

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