10月2日(木)、KYOBI生たちが専門家の方々とともに取り組む「京町家再生プロジェクト~人を想い、暮らしをつくる~」(主催:カンパニートラスト株式会社)第6回が実施されました。

第5回から夏期休暇を挟んで約3カ月ぶりの開催。この間にプロジェクト対象の京町家では、末川協氏(末川協建築設計事務所代表/一級建築士)の設計による改修工事が髙田聡氏(髙田工務店代表)たち大工の方たちにより進められていて、今回はその現場見学です。



髙田氏より着工前の現場見学(第3回)の復習も兼ねて京町家の改修工事の工程について説明いただいた後、しゃち栓(長方形の薄い木板)を用いた梁の取付を間近に見せていただきました。

金属製の釘は一切使わず、木材を継手・仕口により接合して建てる京町家。木には金属と違ってねばりがあり、振動を受けるたびにしゃち栓を差し込んだ接続部は締まり、耐震効果が得られます。





限られた空間における作業や仕上がり後の見え方への配慮、手仕事による木材加工の微調整など、大工の方たちが現場で確認しながら考え進める施工の実際について、学生たちは実見することで深く理解できたようです。

また、柱の朽ちた部分を補うために施された埋木の丁寧な仕事には、髙田氏の京町家へのリスペクトが感じられ、学生たちにとって建築の仕事に向き合う姿勢についても学ぶところが多くあったものと思われます。



2階にも上がらせていただき、傷んだ材に新しい材を継いだ大梁や、柿渋塗の杉板で吹き替えた天井の様子なども間近に見学。これから進める土壁塗の左官仕事についても、職人の方に解説いただきました。




2限の授業を控えて朝の短時間の見学でしたが、学生たちがサステナブルな京町家の再生をより身近に感じるとともに、自身の再生案は現実的に考えてどうなのか省みる貴重な時間となりました。
本プロジェクトはいよいよラストスパート。今年度末の提出に向けて学生たちは完成模型の制作に励みます。