京都の気候にあわせて建てられた京町家では、夏と冬に「しつらえ替え」を行います。
季節に即した敷物や建具を用いることで、体感的にも視覚的にも快適に過ごせる京町家に伝わる暮しの知恵です。

KYOBIでは、京都御所南の京町家「藤野家住宅」〈大正15年(1926)/国登録有形文化財〉のしつらえ替えを建築学部の学生たちが継続してお手伝いさせていただいています。
6月に行った夏のしつらえ替えから4ヵ月余り経ち、ようやく長かった残暑も落ち着いてきた10月17日、建築学部 砂川晴彦講師と学生4名が冬のしつらえ替えをお手伝いしました。

敷物は藤筵(とうむしろ)・網代(あじろ)から上敷・絨毯へ…


敷物や建具はいずれも現当主のお祖父様が家を建てられた当初から受け継いできた品々です。




建具は葦戸(よしど)・簾(すだれ)から襖・障子へ…


そして座布団も夏用から冬用へ替えました。
敷物や建具を蔵から出し入れしていると汗ばむほどの良いお天気で、しつらえ替え完了後には、季節の掛物や置物の飾られた座敷で藤野さまよりひやしあめをいただきました。

学生たちは京町家で伝承される暮しのひとこまを体験させていただき、伝統的な空間とともにそこに流れる時間やおもてなしの工夫についても学ぶことができたようです。
貴重な機会をいただけることに感謝するとともに、今後も活動を継続していけることが願われます。

(床の間の掛物は毎月替えられる)
藤野家では失われた職人技術の継承を目的に、
五右衛門風呂の再建をチャレンジしています。
詳細はこちら▶THE KYOTOクラウドファンディング
藤野家住宅〈国登録有形文化財〉ホームページ




