employment 就職・資格

Message#01

この家に暮らす人を想像して
何度も何度も図面を引く。

積水ハウス(株)設計職 2015年度 建築学科 卒業
木村 思穂
入学前から憧れていた企業で働く毎日を「目標がどんどん育っていく、刺激的な環境です」と、語る木村さん。

設計士として入社し、現在は主に賃貸アパート「シャーメゾン」の設計・施工管理を担当しています。設計士の仕事は、図面を引くだけでなく、お客さまへのご提案や登記関係の手続き代行など多岐に渡ります。また製図一つをとっても、お客さまの希望や建設地などの条件が毎回異なるため、つねに新しい答えが求められます。非常に複雑で正解のない仕事。大きなプレッシャーを感じつつ、いまはとにかく目の前の仕事に真摯に取り組み、経験を積んでいる最中です。

私の担当している賃貸アパートはビジネス物件のため、どんな物件が入居者に好まれるのかと悩まれるオーナーさまが多いんですよ。私は担当設計士としてトータルプランをお任せいただくのですが、間取りや設備に留まらず、色が空間に与える影響や暮らし心地にまで配慮した提案を行い、喜んでいただけたとき、美術大学で建築を学んだ経歴が自分の強みになっていることを実感します。

また、お客さまには女性が多く、とくに戸建住宅は女性が意思決定権を握っている場合がほとんど。女性設計士は女性同士で通じ合う部分があるため人気です。私も自分自身が空間の中で感じる心地よさや女性ならではの視点を生かした提案を積極的に行っていきたいと思っています。また最近は設計士としての目が鍛えられてきて、友人の家に遊びに行っても、間取りや設備などに込められた“設計士の狙い”がわかるようになってきました。「ここに、この家を設計した人のこだわりがある」と感じると、思わずうれしくなりますね。私も、たとえ自分の設計だと気づかれなくてもいいから、細部まで配慮が行き届いた空間を誇りをもって手がけていきたいです。

この春からは建築課に異動し、現場監督として新規物件に携わっています。設計士として担当した物件ができ上がっていく様子を間近で見ながら、現場で得られる知識を吸収しているところです。将来は、現場の動きも知る設計士として、お客さまの快適な暮らしにもっと寄り添っていきたい。今後も数多くの建物にかかわると思いますが、私だからこそできる提案を、一つひとつの物件にきちんと込めていきたいと考えています。

入社1年目で二級建築士の資格を取得。現在は7月に控えた一級建築士の試験に向けて勉強中。

Message#02

セオリーから一歩工夫しないと
オリジナルは生み出せない。

木工作家2015年度 現 美術工芸学科工芸コース 卒業
江元 遥
「若いうちはやりたいことをやろう」と考え、現在は自身の創作活動に専念。滋賀県の大津を拠点に活動している。

木は自然物です。同じ素材は二つとしてありません。毎回はじめて出合う木材に、どのように表現していくかを考える木工の世界は、とてつもなく奥が深く、そして面白いんです。私はKYOBI在学中にそんな木工の創作の魅力を知り、卒業後は自分自身のアトリエを持って作品づくりに取り組んでいます。もしも大学の先生が、決まったセオリーだけを指導される方々だったら、私はきっと作家の道をめざすことはなかったと思いますが、KYOBIでは非常に自由に取り組ませてもらいました。木工の世界には「こうあるべき」という型がかなり明確に存在するのですが、先生方はそんな中でも学生の自由な発想の作品を尊重してくださり、良いところがあれば評価してくださったので、私も自分の表現を突き詰める面白さに気づくことができたのです。

また、試行錯誤を重ねる中で、「こういう形が美しい」という自分なりの価値観を持てるようにもなりました。とはいえ、優れた先人たちが多くの作品を残しているこの世界で、自分ならではの魅力ある作品をつくっていくことは生易しいことではありません。ギリギリもう一歩上をめざしてほんの少し手を加えたことで作品が台無しになったことも一度や二度ではありません。正直、何度も自信を失いそうになりました。

それでも私がこの道を進み続けていられるのは、やはり「これは」と思える素材に出合い、その良さを生かした作品をつくり上げたときの喜びが、ほかでは得られないものだからです。先日も美しい松の木を手にし、このやさしい木目の雰囲気を生かした作品をつくろうとインスピレーションがわき、納得のいくところまで突き詰めてつくった木箱の作品が展覧会に入選しました。自分が最初に思い描いたイメージを、最後まで妥協せずに追いかけられたことが完成度の高さにつながったのだと思います。まだまだ私も勉強中で、いつも良い発想が得られるわけではありませんが、いまは脇目も振らず、この魅力的な木工の世界に自分の可能性を追いかけていきたい。そしていつか、もっと価値の高い作品をつくれるようになり、多くの人に喜んでもらえたらと考えています。

木目を見ると自然に、「こういうモノをつくったら良いかも」と考えが浮かぶようになってきたと語る江元さん。

Message#03

そこに楽しい場をつくるため
人知れぬ努力をしよう。

(株)美也古商会
(空間ディスプレイ企画)2016年度 現 美術工芸学科 工芸デザインコース 卒業
錦織 紗綾
美也古商会は錦織さんが最初に「こんな会社で働きたい」と思った会社。想いが叶い、いまはその職場で奮闘中。

もともと空間デザインに興味があった私は、卒業後、百貨店のイベント会場などを飾り付ける装飾会社で働いています。例えばクリスマスやバレンタインデーなどの催事が近づいてくると、催し物会場はお客さまに楽しいお買い物を提案するために煌びやかな装飾に包まれますよね。その飾り付けを手がけているのが私たちです。もちろん私自身はまだ入社して1年目のため、日々先輩に教わりながら仕事のやり方を勉強しているところ。クライアントから何か相談を受けたときも、先輩方ならいままでの経験から相手の悩みを解決する適切な回答ができますが、私はいちいち確認しなければ答えることができません。

また印刷されたポスターをボードに貼り付けるなどの単純作業も、美しく仕上げるのはなかなか難しいものです。「装飾の仕事は甘いものではない」と大学時代に先生方から教わってはいましたが、実際に働きながらいま、それを痛感しています。

催しの開始日前日に用意した装飾物を会場に取り付ける施工作業は、どうしても百貨店の閉店後になるため、遅い時間までかかることがありますし、現場では必ずと言っていいほど想定外のことが起き、みんなで対応に奔走しなければならないこともあります。まるで戦場。そんな雰囲気なんですよ(笑)。でも、夜の百貨店ですべての飾り付けを終え、静かになった会場全体を見渡す瞬間に、私はちょっと特別な想いを感じることがあります。夜が明けたらここにお客さまがドッと入ってきて、楽しい時間を味わうんだ。そんな場を私たちが作り上げたんだ。そういう満足感を噛み締めながら、私はいま仕上がったばかりの会場をそっと後にするのです。

まだ自分自身にはプロとしての能力が全く足りていません。これからも日々経験を積み重ね、より積極的に仕事を学んでいきたいですね。そのためいつもメモを持ちながら行動しています。そしてゆくゆくは、確かな知識と信頼を得て自分自身で百貨店の担当者と直接お話をし、装飾のデザインも手がけていくことができればと考えています。いまの私からすればそんなことは夢物語。でも、いつか必ず実現したいと思っています。

無我夢中で仕事に取り組む日々。「でも最近はようやく全体の流れがつかめてきたんです」と笑顔に。

Message#04

この手で、この技術で、
日本の文化財を守っていきたい。

(株)便利堂(美術印刷)2016年度 現 美術工芸学科 文化財情報コース 卒業
佐竹 晃一
複製品を本物に近づけるにはインキを自在に操る技術力も必要。先輩の動きを見つめて日々、技を磨いている。

東日本大震災では多くの文化財も被害を受けました。当時高校生だった私はこのニュースにショックを受け、将来は文化財を守る仕事がしたいと思うように。いま私は特殊な技術を持つ印刷会社で、掛け軸や障壁画などの文化財の複製に携わっています。複製品は単に保存のためのコピーというだけでなく、ときには本物に代わって公開され展示の際に発生するさまざまなリスクを軽減する役割があるのです。もちろん、複製品がそのような働きを担うには本物と遜色ないクオリティが必要。当社では最も精巧な複製技法の一つ「コロタイプ」を用い、人の感覚を最大限に生かして本物と見紛う複製づくりに取り組んでいます。現在私は印刷機で作業を行う先輩がスムーズに仕事を行えるようサポートをしています。

例えば、先輩が版にインキを入れるタイミングを見て、紙を一枚一枚手作業で機械へ挿入。紙は種類や湿度によって厚さが一枚ずつ微妙に異なり、また同じ印刷機であっても刷るときにわずかに動く幅やスピードも一台ずつ変わるため、紙の厚さや置く位置など瞬時に判断しなくてはなりません。

また、紙を工房内に吊るすのも私の仕事。吊るす方向一つ間違うと、刷っている間に紙が曲がってインキがずれ、もうそれはモノとしての役割を果たしません。どの仕事に対しても常に緊張感を持っています。世の中の印刷技術は高度に発達しており、このような手間をかけなくても、素晴らしい精度のプリントを仕上げることができます。しかし、文化財という繊細な芸術をより正確に後世に伝えていくには、人の感性によるところがまだ大きいのです。いまの私では上手く言い表すことはできませんが「精巧な複製」は人の手だからこそできる技だと思います。

この感覚は、大学時代に正倉院の宝物復元プロジェクトで伎楽面(ぎがくめん)を彫るためにずっと木と向き合っていたときのものと似ています。太古の人の仕事に思いを馳せ、自分の指先で彼らの仕事を追体験していったような…。KYOBIでつかんだ感覚がここで生かされていると感じます。私が太古の人たちの技術に驚かされたように、いつかは後世の人たちに驚きと感動を与える技術を身につけたい。日本の文化を発展させるために、いまここにある文化財を守っていきたいです。

KYOBIで奈良時代の宝物「伎楽面(ぎがくめん)」を彫ったときの感覚が、いま文化財と向き合う力になっている。

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