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建築学部

建築デザイン領域 杏ゼミの活動について

建築デザイン領域 杏ゼミの活動について

卒業制作

4年間建築学科で学んだ学生の強みはいくつもの設計課題に対して用意された答えを覚えるのではなく自分で考え答えをつくり出してきたということです。最後の最も大きな課題は卒業制作です。過去3年間の学習はこの卒業制作のためにあったと言っても言い過ぎでないかもしれません。

杏ゼミの活動の大きな柱はこの卒業制作です。社会の問題を見つけ、敷地や建築の用途などを自分で設定し、建築の可能性を模索しながら社会に対する提案を行います。作品の制作はCAD、BIM、CG、模型、手描きのドローイングなどを使いながら自分の提案を他人に伝える方法を学びます。主な研究テーマは建築・都市デザイン 環境デザイン 住環境デザインに関するものです。

次は杏ゼミ卒業生の作品紹介。

「小江環境芸術館」

2019年卒業のNさんの作品です。時代の波に翻弄された瀬戸内の小豆島採石場跡に出来たクレーターに芸術公園の提案です。ロシアの映画監督アンドレイ・タルコフスキーのノスタルジアという作品に感銘を受け水の美しい空間をつくりました。彼女はアイデアコンペへの挑戦や論文、書籍などからのテーマ探しをした後8月頃から設計に取りかかりました。作品は学内の最優秀賞に選ばれました。

「記憶の継承地」

2020年卒業のY君の作品です。商業施設や高層住宅の開発が進む地域の中で時間が止まったように残る広大な自衛隊駐屯地の敷地に自衛隊と共生しながら戦争の記憶を継承する博物館、美術館を設計し、駐屯地を市民に開放する提案を行いました。作品は学内の最優秀賞、ゲスト審査員藤本壮介氏による特別賞、更に2020年度JIA(日本建築家協会)近畿支部学生卒業設計コンクールの入選者8名に選ばれました。

その他の模型

2021年度の活動

7月25日に行われた卒業制作中間発表での9つの提案です。特に意識したことはなかったのですが今年はSDGsの達成項目に関連した内容が目立ちました。

アクアポニックを利用した養殖場と附属施設   閉鎖された三重県志摩市賢島の志摩マリンランド跡地に三重大学海洋生物研究所を計画。研究所のほか環境に負荷をかけない循環型農法として注目されているアクアポニックを利用した養殖場や地元産の食材を提供するレストランなどを提案。(海の豊かさ・陸の豊かさ)

農業と都市が隣接しあって暮らしていく都市   京都駅。JR新幹線と近鉄奈良線に囲まれた変形地に植物工場を主体とした木造高層建築を提案。農業のほか京都の景観問題にも言及。(農業)

首都圏外郭放水路美術館計画   首都圏外郭放水路は埼玉県春日井市に洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路。非常時以外は使われていない土木構築物に過去に水害の記録のない秋冬期限定の美術館を計画。(気候変動)

美術館+感染病棟   今回のコロナ禍で感染症に対する医療の脆弱さが浮き彫りになりました。東京医療センターに隣接する敷地に平常時から緊急時の感染病棟に素早く切り替えられる美術館の提案。(健康)

都市に建つ緑に囲まれた高齢者のための集合住宅   京都駅から徒歩5分の敷地に高齢者のための集合住宅を提案。(健康)

地域のゴミ可視化施設と安倍川調整池計画   ゴミ問題を可視化し市民のゴミ問題に対する意識に働きかける。(生産と消費/フードロス・プラスティックゴミ)静岡市に流れる安倍川と藁科川の合流地点に集中豪雨時の一時的な貯水場所となる調整池を計画。平常時には市民に開放された親水公園を提案(気候変動)

水郷の避難港 戸倉上山田温泉交流館   敷地は流域高台の廃墟と化した「信州観光ホテル」跡地。長野オリンピックに向けて増築を繰り返した結果多額の負債を抱え破産し、結果廃墟と化した。提案は過去度重なる洪水の被害を受けてきた千曲川流域の避難施設。(気候変動)平常時はグリーンツーリストのための農泊施設などグリーンツーリズム関連施設を提案。(食料)

避難所としての機能を持った複合施設の計画   敷地は南海トラフ地震震度7予想地域で天竜川、馬込川洪水浸水想定区域にに含まれる2015年解体された静岡県浜松市の松菱デパート跡地。(気候変動)

七条から東九条までの高瀬川整備計画   京都の高瀬川は江戸時代に物流のために開削された川(運河)で周辺環境を取り込んだ美しい景観をつくりだしています。しかし七条通りから南の崇仁地区や東九条は地域の持つ歴史的な理由などもあり整備が進んでいません。提案はこの地域の高瀬川を整備すると同時に商業施設、入浴施設、公園などを設け地域の活性化を計るというものです。(貧困・生産と消費/プラスティックゴミ)

(特任講師 杏 義啓)

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第11回 KYOBI授業探訪 仏手摸刻課題 木工・木彫刻コース
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