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建築学部

1年生 工芸実習基礎Ⅰ 授業風景

皆さん、こんにちは。今回は1年生で行っている授業「工芸実習基礎Ⅰ」の様子をお伝えします。前期では建築設計に関わる導入的な内容でしたが、後期になると設計課題を通して、一通りの建築設計プロセスを習得し、建築作品としてまとめ上げていく力を培う内容へと移っていきます。

まずは第一課題(6週間)『10mキューブの空間』のお話から。この立方体のヴォリュームの中に、建築空間の基本要素である床・壁・天井からなる空間を設計するものですが、設計条件として7つの異なるレベルのフロアを持つ空間を設定することというのがあり、これが楽しくもあり、難しくもある課題。進め方としては、1年生ということもあり、先に図面ではなく、模型を作って発想力を広げていきます。その後、それを図面化する。平面図では、7つのフロアを3枚で表現することが要求されました。これがなかなかの難関だったようです。自身の考えた空間を、人にいかに分かりやすく伝えるかは重要なことですね。その中から、優秀だった作品を3点ご紹介します。

続いて第二課題(3週間)は、伝統建築の理解の一助として茶室・茶屋の描写を行うもの。KYOBIならではの特徴的な課題ですね。題材としては、名建築である高台寺傘亭・時雨亭。その起こし絵図を組み立てること、現地に足を運んで実物を観察すること、そして平面図、立面図、断面図を作成していきました。その授業の様子と、学生たちが作成した立面図を見て頂こうと思います。

そして現在、行っているのが第3課題(6週間)『鴨川沿いの市民ギャラリー』です。第一課題から進展し、ここでは美術館という具体的な用途が求められます。鑑賞者のこと、トイレ・収蔵庫・スタッフ室といった裏方的なこと、カフェを設ける場合はサービス動線のこと、等々、必要諸室の役割や寸法、つながりを理解し、各室を適切に配置する必要があります。さらに周辺環境をも読み取り、室内空間と外部空間との関係性も考えねばなりません。もちろん、オリジナルで魅力的な空間として計画すること。1年生にとっては、初めての本格的な設計課題となります。ためらうのは当然なのですが、学生たちはそれを乗り越えるべく頑張りを見せてくれています。それを指導する教員としては、それが”設計の楽しさ”ということに気付いてもらいたいと思っております。

(講師 根來宏典)

二級建築士合格者インタビュー(2021年)
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