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建築学部

小梶研究室の紹介 2023

みなさん、こんにちは。

小梶研究室では12名のゼミ生が在籍しています。卒業制作を目標として、様々な取り組みを行います。現在はそのための研究と将来のプロに向けて基礎力のトレーニングを行っています。研究室では、建築空間の内部に焦点をおく設計手法により、外部と内部が輻輳しながらバランスを取り、空間として真摯に丁寧に創り上げることを核とした活動を行っています。これらの活動を通じ、持続可能な社会の実現に向けての、家具やインテリア、空間はもちろん、建築から街へと様々に発展することを期待しています。今回は、現在のゼミ活動と、昨年度の卒業制作の作品紹介をしていきたいと思います。

2023年度の活動はフィールドワークから始まりました。大手ハウスメーカーのデザイン設計部Y部長をお招きして、その作品であるモデルハウスを見学した後、作品の誕生した経緯やねらいなどをお聞きし、質疑応答の時間を持つことができました。春休み中で自由参加でしたが、大変有意義な時間を過ごすことができました。

大手ハウスメーカーのモデルハウスにて、熱心に質疑応応答を行っています。

日常のゼミ授業は週2回・3時間ずつで、基本的に新校舎・東館4階のオープンゼミスペースで行っています。「アトリエ」と「エスキース」を繰り返し、個人の力を磨いていきます。

「アトリエ」でのデッサン授業。鉛筆を使って静物を描いています。

2回目のフィールドワークは、神戸方面に向かいました。兵庫県立美術館では、建築家の安藤忠雄氏の建築模型が多く展示されているAndo Galleryを主に視察し、模型のスケール感や素材、表現手法についてのディスカッションを行いました。もちろん建築も見学し優れた空間体験を行うことができました。

Ando Galleryの建築模型を食い入るように見るゼミ生

その後中央区の旧外国人居留地まで移動し洋館建築の街並みを散策した後、新港地区にあるKIITO(旧神戸生糸検査所)を視察しました。歴史的建造物をデザイン・クリエイティブセンター神戸にリノベーションした秀作に大変興味を持つことができました。最後は三宮・花時計広場にある安藤忠雄氏建築作品「こども本の森 神戸」を見学し、空間を縦横無尽に立体的に使いきる姿勢に驚きを隠せませんでした。

ここからは、昨年度の小梶研究室ゼミ生の卒業制作作品の紹介です。京都への提言、こどもや老人の抱える課題解決、コロナ禍以降のライフスタイル、コンパクトシティーや災害時における提案、地元の活性化など、様々な方向へ展開しましたが、代表的な2作品(受賞作)の抜粋を紹介します。

1点目は古屋敷有人さんの作品です。

「高瀬川 舟入舟運」

かつての高瀬川と木屋町の活気を取り戻すため、9つの舟入を再構築すると同時に実家の家業である醤油造りをテーマにした施設を設置、さらに高瀬川での舟の運航を提案しました。高瀬川の歴史と構造の研究から始め、ランドスケープデザインを含めた、新しい水辺の景観と町の活性化に繋げています。

2点目は真木祐梨菜さんの作品です。

「未来を創る相談所 ~自然と人との交流~」

子どもへの虐待や家庭内暴力などの陰惨な事件は後を絶たず、その前兆の発見さえ難しいと言われます。対応が手遅れとなるぐらいならば、先手を打ってあるいは気軽に訪れ被害者を守ることのできる施設があるべきではないか。施設への導入経路や施設構成についても健康を取り戻すため、きめ細やかな計画を提案しています。 

研究室では、各人が設定する課題に対しての解決を、より良い卒業制作の作品とするため、「アトリエ」や「エスキース」による研究から、あるいはフィールドワークや様々な体験による思考と知見の広がりを確認しながら、その結晶として結実されていくであろう「創る」という努力を惜しまぬ姿勢こそが大切だと考えています。

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