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芸術学部

第1回宮若国際芸術トリエンナーレTRAiART学生コンペティション 受賞者 中村日捺子さんに聞いてみた

こんにちは、のかです。

今回は第1回宮若国際芸術トリエンナーレTRAiART学生コンペティション にて優秀賞を受賞し、見事 賞金100万円を勝ち取った中村日捺子さんにインタビューをしました。

コンペティションの詳しい内容についてはこちらからご覧ください→https://www.kyobi.ac.jp/contents/topics/7616/

▲左から中村 日捺子さん、筆者です。

のか 早速ですが自己紹介お願いします。

中 デザイン領域 カルチャーコース所属 3年、中村日捺子(なかむらひなこ)です。

のか 尊敬している人、好きなものを教えてください!

 尊敬している人は、津村先生、木村先生です。 好きなことは関西にある美味しいコーヒー屋をめぐることです。深煎りの苦めな香りのいいコーヒーを豆を挽いて入れて、カフェオレにして飲むのが好きです。

のか おお…コーヒー通ですね!!私も深煎りの苦めなコーヒーが好きなんですー!

 そうなんですか!

しばらくコーヒー談議(笑)

のか …では早速コンペの話題を。

Q.このコンペに参加したきっかけは何ですか?

 このコンペの存在を知ったときに、デザインとアートとのはざまにあるような作品を募集しているような気がしました。自分自身、書道とアートとデザインの境界線をなくした作品を制作したいと思っていたので、ここで自分がどこまで通用するのかを試してみたかったというのがきっかけです。

のか なるほど、そうだったんですね。作品を作るにあたってこの形、素材についてこだわりがあったんでしょうか?

 もともと高校の美術科で書道コースを専攻していて、授業でも書道、部活でも書道、と書道中心の日常生活を送っていました。書道という枠からあえて抜け出して、「自分なりの墨と筆を用いた表現」を学びたいと思いKYOBIに入学した経緯があります。そこで今回の作品も「自分なりの墨と筆を用いた表現」を足掛かりに制作をはじめました。

のか ふむふむ…中村さんの中で「書道」が根底にあるんですね。 

Q.制作にあたって苦心したポイントはありますか?

 一番苦心したのは溝の部分です。この溝は金箔、樹脂を用いて「越境」を表現しています。液体状の樹脂を溝に流し込む作業はとても緊張しました。作品を水平に保ち、樹脂が溢れないようにぎりぎりまで流し込む作業は製作期間的にもやり直しがきかず、一発勝負だったので一番神経をつかいましたね。

▲樹脂の流し込みの作業風景①

▲樹脂の流し込みの作業風景②

▲完成した作品

のか 溝の部分の制作が一番苦心した点だったんですね。個人的に墨の滲みの部分は結構、調整が難しかったんじゃないかなと思いましたが…

 もちろん滲みにもこだわりました。にじみが出やすい※宿墨を意図的に用いたりしました。めっちゃ匂いがきついんですけど…(笑)うまく滲みをだしてからphotoshopで宮若市の形に加工したり宮若市を流れる川を描き込んでいます。こだわりのポイントですね。※宿墨=固形の墨をすって液体状にしてから時間が経過したものを指す。

のか おお…書道で磨かれた技や知識ならではの表現がいきてますね!

Q.アイデアを出すにあたって心がけていることはありますか?

 うーん。そうですねえ…墨の滲み、墨飛ばしなど「偶発的」に生まれたものに「意識的」な表現を加えた「書の表現技法を用いた創作活動」をしていきたいと考えています。それを起点に発想をしている気がします。「書道」という型にとらわれない、「アート書道」とも異なる墨と筆と紙とを使用した自分の表現と呼べるものを模索しているような感じですね。

のか 今まで積み重ねてきた「書道」での経験、技、知識が何かを思考する上での土台、根源的な存在になっているんですね…かっこいいな…頑張っている後輩、KYOBIの受験を考えている高校生たちにアドバイスを…ぜひ、お願いします…!

 そんな偉そうなこと言えないですけど(苦笑)そうですね…

自分の好きなこと、興味のあることを見つけて追いかけていってほしい…ですね…私も自分の強みを土台や切り口にしてやっているので…同じように、興味を持っているもの、好きなものを1つでも見つけて突き詰めていくことはだれにも負けない自分の武器につながると思います。

のか まさにそれを実践する中村さんだからこそ響くアドバイスですね。

Q.最後にコンペを終えての感想、今後の目標を聞かせてください

 今回コンペを体験して自分が思ってるより努力していかないといけない部分、作品を作るうえでしっかりと妥協しないことが大事といったことを改めて実感しました。また今回先生方にお力添えいただいた部分もあるので、自分の力だけでも思い描いた作品を作り出せるように、残りの大学生活でアイデアを磨き、スキルをしっかり学んでいきたいと思います。

のか ありがとうございます。中村さんの今後の大学生活がよりよいものになるように応援しています。

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