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ヴォーリズ六甲山荘で旧室谷邸の建築模型を寄贈させていただきました

8月27日は神戸市にある「ヴォーリズ六甲山荘」で旧室谷邸の建築模型を寄贈させていただきました。

ヴォーリズ六甲山荘」は、建築家、キリスト教プロテスタントの信徒伝道者、社会事業家、実業家として知られ、没後は正五位に叙されたウィリアム・メレル・ヴォーリズ(和名:一柳 米来留【ひとつやなぎ めれる】)の設計により昭和9年(1934)に個人の別荘として神戸市灘区六甲山町に建てられました。

自然の中に佇む簡素な造りでありながら、良質の木材をふんだんに用い、洗練された室内意匠やきめ細やかな居住性への配慮などが特徴となっていて、現在も建設当時の姿が良好に保存されています。

現在は認定特定非営利活動法人アメニティ2000協会により管理され、国の登録有形文化財、近代化産業遺産、神戸歴史遺産として保存活用されています。

ヴォーリズ六甲山荘

アメニティ2000協会は、阪神間の歴史的建造物の保存に取り組む団体で、平成20年(2008)に一般から広く寄付を集めてヴォーリズ六甲山荘を購入し、冬季を除く土日・祝日に一般開放するほか、コンサートや研究会を開催するなど、歴史的な建築物の魅力を共有し未来へ繋ぐ拠点となっています。

認定特定非営利活動法人アメニティ2000協会

文化遺産信託研究会

令和3年(2021)には六甲ヴォーリズ山荘の敷地内に休憩所が建設されました。

この休憩所は、「旧室谷邸」の一部である門廊の部材を用いて再建されたもので「室谷邸記念館」と名付けられています。

室谷邸は、須磨離宮公園の南にあり、ヴォーリズの設計により昭和9年(1934)に建設され、ハーフティンバーと呼ばれる柱や梁などの木材を表面に表す西洋式の意匠が特徴で室内の意匠も非常に優れ、平成8年(1996)には国の登録文化財となりましたが、惜しくも平成19年(2007)に解体されてしまいました。

しかし、一部の部材が神戸市により保管されており、これを引き取る形で門廊部分の移築再建へと至りました。

左 室谷邸主屋  右 室谷邸表門(いずれも『ヴォーリズ建築事務所作品集(1937)』より引用)

今回寄贈させていただいた模型は、建築学科伝統建築領域の井上年和研究室において、2024年度の卒業研究として室谷邸の主屋と門廊部分を再現したもので、これを昨年度・今年度の4年生を中心にブラッシュアップしてもらい仕上げました。

制作した室谷邸主屋・門廊の模型

制作した模型により室谷邸の全体像が立体的に表現できるようになったのと、再建された門廊部分と比べて主屋の規模が把握できるようになったなどと高評をいただきました。

ヴォーリズ六甲山荘の子供部屋に展示させていただくこととなりました。寄贈式の後に室谷邸記念館も見学させていただきました。
感謝状もいただきました。

制作にあたっては、アメニティ2000協会さまから様々な資料を提供していただき、ご指導いただいた上で、須磨離宮公園に残る外構の一部なども見学し、途中経過を説明させていただきました。

2024年10月8日 井上年和研究室の学生による室谷邸再現模型制作の中間報告

また、その他にも室谷邸記念館の塗装ワークショップ、檜皮葺きワークショップに参加させていただくなど大変お世話になってきました。

左 2022年8月23日 室谷邸記念館の塗装ワークショップ 右 2023年8月19日 檜皮葺きワークショップ

このようにたとえ建物が失われようとも、様々な手法で歴史的建造物を継承する手立てはあり、その良さ・大切さを人々が実感し広げていくことが重要であると感じました。

ヴォーリズ六甲山荘では、2025年4月にカフェ兼クラフトセンター「Vories Cottage(ヴォーリズ・コテージ)」がオープンし、ますますこの輪が広がっていくことを期待しています。

草屋根に覆われた「Vories Cottage(ヴォーリズ・コテージ)」
京都アカデミアフォーラムin丸の内主催「こども大学in京都 2026」で藍染ワークショップを実施しました
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