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大学院修士課程の松本尚也さんの論文が「日本建築学会」で査読付論文として採択されました

大学院修士課程 松本尚也さん(指導教員:白鳥洋子准教授)が執筆した論文「パサージュ・グラン=セールの開通および建物の成立と変遷:オテルリー・デュ・グラン=セールからパサージュ・デュ・グラン=セールへ」が、 日本建築学会計画系論文集第91巻(第844号) に査読付論文として掲載されました。

本研究は、18世紀末から19世紀前半にかけてパリで建設され、近代都市における大衆消費社会の先駆けを象徴する建築として知られる「パサージュ」に着目し、その一つである「パサージュ・デュ・グラン=セール」の成立過程を明らかにしたものです。パサージュ・デュ・グラン=セールについては、一般に1825年頃に成立したとされるものの、正確な開通時期や建築の変遷については十分に解明されていませんでした。

本研究では、まずパサージュ・デュ・グラン=セールの歴史的背景を整理したうえで、18世紀に作成されたチュルゴーの地図をはじめ、17世紀から19世紀にかけての複数の古地図や地籍図、公文書などの歴史資料を詳細に分析しました。その結果、さらに、通路としてのパサージュ・デュ・グラン=セールの開通年、 パサージュ・デュ・グラン=セール という名称の成立過程を明らかとしました。加えて、建築図面や複数の図面を重ね合わせて比較することで、前身となる宿泊施設「オテルリー・デュ・グラン=セール」の建築構成や敷地利用を復元するとともに、それがどのように商業空間であるパサージュへと改築・再編されていったのかを考察しています。


その結果、従来は明確ではなかったパサージュの開通時期や名称の成立過程に加え、宿泊施設から近代的な商業空間へと転換していく建築的・都市的な変遷を具体的に示すことができました。本研究は、パリの都市形成や建築史研究に新たな知見をもたらすとともに、歴史的都市空間の保存や活用を考える上でも重要な成果となるものです。

今回の掲載は、松本尚也さんが修士課程において取り組んできた研究成果が学術的に評価されたものであり、本学における歴史意匠研究分野の研究活動の成果を示すものです。

【論文情報】
論文題目:パサージュ・グラン=セールの開通および建物の成立と変遷:オテルリー・デュ・グラン=セールからパサージュ・デュ・グラン=セールへ
英語題目:PASSAGE DU GRAND-CERF FROM ITS OPENING TO COMPLETION:The renovation of L’hôtellerie du Grand-Cerf into Passage du Grand-Cerf
著者名:松本尚也・白鳥洋子
ジャーナル名:日本建築学会計画系論文集
巻号:第91巻(第844号)
頁:1445頁-1456頁
出版年月:2026年6月

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