データサイエンス・AI教育プログラム

Data Science and AI

 現代はデジタル社会といわれ、その基礎となる数理・データサイエンス・AIに関する知識・技能は、いわゆる「読み・書き・そろばん」的素養として、学部・学科に関わらず全ての大学生が修得すべき時代となっています。 本学はこれに対応するため、令和6年度より以下の科目構成により「データサイエンス・AI教育プログラム」を開始いたしました。
 なお、本プログラムについては、令和6年度1年間の運営実績をもとに、令和7年度に文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に申請します。

参考:文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」

Ⅰ.プログラムの科目構成

区分芸術学部建築学部
1年次 前期情報基礎演習A
2単位(30時間)
情報基礎演習B
2単位(60時間)
1年次 後期メディアリテラシー
2単位(30時間)
メディアリテラシー
2単位(30時間)
 〃コンピュータデザイン演習
2単位(30時間)
学修時間合計90時間90時間


Ⅱ.プログラムに含まれる学修項目

導入1-1.社会で起きている変化1-4.データ・AI利活用のための技術
1-2.社会で活用されているデータ1-5.データ・AI利活用の現場
1-3.データ・AIの活用領域1-6.データ・AI利活用の最新動向
基礎2-1.データを読む2-3.データを扱う
2-2.データを説明する
心得3-1.データ・AI利活用における留意事項3-2.データを守る上での留意事項


Ⅲ.プログラムの学修成果

このプログラムの履修を通じて、データサイエンス・AIの社会における活用実態や利用における課題と留意点などを理解し、学士課程での学びを経て社会人となったときに求められるデータサイエンス・AIへの対応能力の獲得を目指します。

※文部科学省の認定後、学部ごとの上記科目の全単位を修得した者(令和7年度以降入学生対象)には、プログラム修了証の交付を予定しています。

Ⅳ.授業の方法・内容・実施体制

  1. 授業の方法・内容
    上記「Ⅰ.プログラムの科目構成」の各科目名をクリックしてください。シラバスが表示されます。
  2. プログラムの実施体制
    このプログラムは、教学委員会教務部会と上記科目の担当教員が連携して実施します。また、プログラムの実施状況、成果の自己点検は、自己点検・評価委員会が実施します。

Ⅴ.令和6年度の「データサイエンス・AI教育プログラム」の自己点検結果について

【学内からの視点】

  1. プログラムの履修・修得状況
    令和6年度に実施のプログラムの履修状況・単位修得状況は、自己点検・評価委員会が「履修者名簿」「単位修得状況表」により確認を行いました。
  2. 学修成果
    プログラムの4科目を含め、毎学期の最終授業日に行っている「学生による授業評価アンケート」の集計結果に基づき、各授業担当教員が集計結果を踏まえた授業改善方策として「フィードバックシート」をFD・SD推進委員会(委員長・学長)に提出しました。プログラム4科目の評価結果について秀、優、良、不可の成績分布状況もデータ化し、学習成果を把握しました。
  3. 学生アンケート等を通じた学生の内容の理解度
    プログラム4科目の「学生による授業評価アンケート」においては、授業理解度に係る質問には次の3つ含まれています。
    ①課題の量や難易度は、取り組むのに適切でしたか?
    ②教員は、学生の理解度を考慮して授業を進めましたか?
    ③教員から、授業を理解させようとする熱意や意欲が感じられましたか?
    プログラム4科目についての上記3項目の平均が4.58ポイントで全科目平均の4.51ポイントより高い結果が出ており、プログラムの理解度は高いといえます。
  4. 学生アンケート等を通じた後輩等他の学生への推奨度
    令和6年度から開始した本プログラムは、他の全科目を含め学期毎に実施している「学生による授業評価アンケート」として、プログラム4科目のアンケート結果を学生用の学内専用Webページに12項目のポイントについて期間限定で公開しました。また、すべての科目について、講義系と演習・実習系に区分し、ポイントとレーダーチャートによるアンケート結果は、情報公開ページに掲載しています。なお、後輩等他の学生への推奨度については、令和7年度の授業評価アンケートにおいて「受講後の感想等」のコメント例で示すなどの対策をとります。
  5. 全学的な履修者数、履修率向上に向けた計画の達成・進捗状況
    令和6年度と令和7年度の履修率を比較すると以下のとおりです。プログラムの趣旨・目的を十分に周知し、履修規程でも履修方法欄に推奨科目として明記した効果もあり、選択3科目の平均履修率は向上しました。
    ・メディアリテラシーの履修率(大幅増)
      令和6年度 85.1% → 令和7年度 99.3%
    ・情報基礎演習Aの履修率(微減)
      令和6年度 98.0% → 令和7年度 96.9%
    ・情報基礎演習Bの履修率(必修)
      令和6年度 100% → 令和7年度 100%
    ・コンピュータデザイン演習の履修率(微増)
      令和6年度  92.2% → 令和7年度 94.8%
    ・選択3科目の平均履修率(増加)
      令和6年度 93.8% → 令和7年度 97.0%

評価に係る学外からの視点

  1. 教育プログラム修了者の進路、活躍状況、企業等の評価
    本学の「データサイエンス・AI教育プログラム」は、令和6年度から開始したものでプログラム修了者が社会人となるのは令和10年度以降となります。現在は、アセスメント・ポリシー(学修成果・教育成果の評価方針)に基づき、「就職先アンケート」を行っていることから、このアンケートに付随してこのプログラムへの意見収集を行い、講義内容等の改善に活用していくこととします。
  2. 産業界からの視点を含めた教育プログラム内容・手法等への意見
    本学は、令和7年1月に自己点検・評価実施要項を改訂し、自己点検の基準項目の一つに「内部質保証の機能性」を掲げたところです。その中で「学外関係者の意見・要望の把握・分析、結果の活用」を定めており、令和7年度に「学外関係者連絡会」を設置する計画です。なお、この連絡会には民間企業や地方公共団体など本学の卒業生と関連するステークホルダーが参画する計画であることから、このプログラムについて意見聴取を行いプログラム改善に結び付けていく計画です。

評価に係るその他の取り組み

  1. データサイエンス・AIを「学ぶ楽しさ」「学ぶことの意義」の理解への対策
    プログラム科目「メディアリテラシー」の到達目標として「大学の研究や日常生活において情報を適切に収集、活用する意識と能力を高める」を最初に掲げています。15回の授業には、多様なメディアを通した情報へのアクセスの際にデータサイエンスの基礎知識やAIの活用をより正しく理解するための工夫をこれまで以上に行います。データサイエンス・AIの学びがもっと楽しいものとなるよう、どのようなメディアのゲストスピーカーを望むのかなど、学生による授業評価アンケート以外に履修学生に問いかける試みを行っていきます。
  2. 内容・水準を維持・向上しつつ、より「分かりやすい」授業とするための対策
    令和7年度以降、プログラムの推進組織である「教学委員会教務部会」とプログラム4科目の担当教員とにより、プログラム関係者ミーティングを開催し、生成AI利活用の内容を充実させるなどプログラム構成科目の内容・水準の向上に繋げていくこととします。

(京都美術工芸大学自己点検・評価委員会委員長)